古今集巻第二十 東歌 1094番
相模うた
よみ人しらず
こよろぎの磯たちならし磯菜つむめざし濡らすな沖にをれ波
相模歌
詠み人知らず
小余綾(こよろぎ)の磯立ち均し磯菜摘む目刺し濡らすな沖に居れ波
相模の歌
詠み人知らず
小余綾の磯の浜辺を均すほど行き来して海藻を摘んでいる娘達の髪を濡らすな、沖に留まれ波よ
若い娘たちが海藻を採っているのを、穏やかな気持ちで眺めている男性の歌なのでしょう。子供を慈しむような気持なのか、娘たちの中から誰かを妻にしようと思っているのか、それはわかりません。
「小余綾(こよろぎ、こゆるぎ)」は神奈川県中郡大磯町の浜辺。
「磯菜(いそな)」は、海藻のこと。
「目刺し(めざし)」は、子供の髪型。目のすぐ上で横にまっすぐ切ったような髪型で、目に刺さりそうなので、この名で呼ぶそうです。おかっぱみたいな髪なのかと思います。
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