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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1024番

題しらず
よみ人しらず
こひしきが方も方こそありときけ立てれをれどもなきここちかな

恋しきが方も方こそ有りと聞け、立てれ居れども無き心地かな

恋しいという場合の心の方向と言う、そういう方向が有ると聞いた、しかし立っていても座っていても、そんな方向は無い心地がする

わかりにくい歌です。
恋心の気持ちの向け方のようなもの(恋しきが方)が、
他人からは冷静に見えているから、ああだこうだと指南を受ける(方こそ有りと聞け)が、
そんなものはちっとも分からない(なき心地かな)、
と言う意味なのでしょう。
「恋しきが方」の格助詞「が」は、主語ではなく、所属の意味です。恋しいというもの「の」方向。
「立てれ居れども」は、動詞「立つ」の已然形「立て」+継続の助動詞「り」の已然形「れ」、そして動詞「居り(をり)」の已然形「をれ」+逆接の接続助詞「ども」。「立てれ」と已然形になっているのは、「をれ」の後の「ども」が已然形に付く為です。「立てれども、居れども」と言うことです。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #恋しきが方

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