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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1062番

題しらず
在原元方
世の中はいかにくるしと思ふらむここらの人にうらみらるれば

世の中は如何に苦しと思ふらむ、此処らの人に恨みらるれば

世の中というものは、どんなに苦しいと思っているだろう、多くの人に恨まれているので

世の中が心を持っているなら、みんなから恨まれて、かなり苦しい思いをしているだろう、という歌です。
世の中は、主には男女の仲を指しますが、ここではそれも含めた社会全般、世間一般とも言えます。
何かにつけて、思い通りにはならないので、世間を恨むということが、あるのでしょう。そうやって、恨まれている世の中の気持ちを思いやっています。
「うらみらるれば」は、動詞「うらむ」の未然形「うらみ」+受身の助動詞「らる」の已然形「らるれ」+原因を表す接続助詞「ば」で、「恨まれているので」。動詞「うらむ」は、この場合、上二段活用で「み、み、む、むる、むれ、みよ」と活用します。
在原元方は、在原業平の孫、在原棟梁の子ですので、平城天皇の玄孫です。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #在原元方 , #世の中 , #恨み


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ちのみゆき
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