題しらず
坂上これのり
わがこひにくらぶの山のさくら花まなくちるともかずはまさらず
題知らず
坂上是則
わたしの恋の想いに比べると、暗部山の桜花は間なく激しく散るけれども数が増えることもない
「比ぶ」と「暗部山」を掛けています。わたしの恋の想いはどんどんと膨らんでいくけれども、山の桜は激しく散りはしても、単に咲いたものが散っているだけで何も変わらない。わたしの想いの深くなっていくのとは比べ物にならない、という歌です。
暗部山は、京都の北東の鞍馬山と言われています。山の上も木が生い茂って昼間でも薄暗いことを指しているようです。
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