古今集 巻四 秋歌上 245、246、247番
題しらず
よみ人しらず
みどりなるひとつ草とぞ春は見し秋はいろいろの花にぞありける
ももくさの花のひもとく秋ののに思ひたわれむ人なとがめそ
月草に衣はすらむ朝露にぬれてののちはうつろひぬとも
題しらず
よみ人知らず
緑でおおわれた野はひとつの草だと春には思ったが、秋はいろいろの花が野を飾るようだ
たくさんの花の紐を解いて咲いている秋の野で気持ちをゆるめて戯れることを人はとがめないでほしい、女性の花の紐を解いて戯れることもゆるしてほしい
月草(紫露草)を衣に摺って色を楽しもう、朝露に濡れてしまった後は色もあせてしまうけれど、夜が明けるまではともに楽しく過ごそう、朝露に濡れてしまうと心変わりするとしても
秋の歌は、どちらかといえばもの悲しさを題材にするのですが、この3首は秋の野の美しさを、まるで春のようにうきうきした感じでうたっています。
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