甲斐うた
よみ人しらず
甲斐が嶺をねこし山こし吹く風を人にもがもやことづてやらむ
甲斐歌
詠み人知らず
甲斐が嶺(ね)を嶺越し(ねこし)山越し吹く風を人にもがもや言伝て遣らむ
甲斐の山を、峰を越し山を越して吹く風が人であればいいのに、風にあの人への言伝てを頼みたい
風は山を越して吹くので、遠くに行っている男に言伝ができればなあ、という女の歌です。
「人にもがもや」は、「人」+断定の助動詞「なり」の連用形「に」+願望の終助詞「もがも」+詠嘆の間投助詞「や」で、「人であればなあ」の意味。
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