題しらず
よみ人しらず
あしひきの山のまにまに隠れなむうき世の中はあるかひもなし
足引きの山の随に隠れなむ憂き世の中は有る甲斐も無し
裾を引く美しいどこかの山のあるがまま、そこに隠れ住んでしまいたい、つらい世の中は生きる値打ちもない
どこの山でも良いので、そこのあるがままに合わせて隠れ住んでしまう方が、めんどうな生きる価値の無い世間の暮らしよりもよっぽど良い、ぐらいの意味と思います。生きていくことの辛さが、ちょっと愚痴に出るのは、平安も現代も同じようです。
「まにまに(随に)」は、あるがまま、事の成り行きに任せると言う意味です。
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