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古今集巻第十四 恋歌四 703番

題しらず

よみ人しらず

夏びきの手びきの糸をくりかへしことしげくともたえむと思ふな

この歌は、返しによみてたてまつりけるとなむ

題知らず
詠み人知らず
夏に引く手引きの糸を繰るように、繰り返し噂が盛んに立っても、二人の仲を絶とうと思わないでください
この歌は、前の歌への返歌として詠んで奉った歌と言われる

「夏引きの手引きの糸を繰り返し言繁くとも絶えむと思ふな」

上の句の2句は「繰る」の序詞です。
夏に麻を引き抜いて(夏引の)、手で糸を引き出して(手引きの糸を)、巻き取る(繰る)、または蚕の繭から糸を繰ることを言っています。
前の歌(702番)で天智天皇が近江の采女に「(歌を送るなどすれば)わたしの想う人に噂が立つだろう」とお送りになったことに対して、采女が返歌として「噂が立っても仲を絶たないでください」と送った歌だと言うことになっています。

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