古今集巻第十八 雑歌下 978番
むねをかのおほよりが、こしよりまうできたりける時に、雪のふりけるを見て、おのがおもひはこの雪のごとくなむつもれる、といひけるをりによめる
みつね
君が思ひ雪とつもらばたのまれず春よりのちはあらじとおもへば
宗岳大頼が、越より詣で来たりける時に、雪の降りけるを見て、己が思ひはこの雪の如くなむ積もれる、と言ひける折に詠める
躬恒
君が思ひ雪と積もらば頼まれず春より後は有らじと思へば
宗岳大頼が越の国から都にやって来た時に、雪の降ったのを見て、自分の思いはこの雪のようにたくさん積もっています、と言った時に詠んだ歌
凡河内躬恒
君の思いは雪のように積もっているなら、頼りにならない、それは春よりあとは溶けて無いと思うからだ
思いの内容は書かれていませんが、友情を言うものか、友情とともに任官を求めるなどかもしれません。君の思いは春には解けるて忘れるんだろうから、聞きいれてあげるようなものでもなさそうだねと、からかっているのだと思います。
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