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古今集巻第十八 雑歌下 939番

題しらず
小野小町
あはれてふことこそうたて世の中を思ひはなれぬほだしなりけれ

題知らず
小野小町
あはれと言う言葉こそ、特に世の中への思いを断ち切れないしがらみである

わかりにくいです。「あはれ」は、素晴らしい、素敵だ、美しい、などの意味で言う感嘆の言葉です。「お前は美しいね」と言うような恋の言葉は、世の中への執着を断ち切って(思い離れぬ)、静かに暮らしたり、出家したりする気持ちの妨げになる(ほだしなり)ものだと言う意味と思います。

「うたて」は、特に、ひどく、強く、といった意味です。
「ほだし」は、「絆」で、心の自由な動きの妨げになるもののことです。現代では「絆」は「きずな」で、心の繋がりを指しますが、これも裏を返せば縛っていることですから、同じ状態を悪い意味に取るか、良く取るかだけの違いだと思います。「ほだされる」という表現も同じです。

#古今集 , #雑歌下 , #小野小町 , #ほだし

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ちのみゆき
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