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古今集巻第十五 恋歌五 772番
題しらず
よみ人しらず
来めやとは思ふものからひぐらしのなくゆふぐれはたちまたれつつ
題知らず
詠み人知らず
来るだろうか、来ないかと思いながら一日を過ごしたのだけれど、ひぐらしの鳴く夕暮れには気がつくと外に立って待っているものだ
「来めやとは思ふ物から蜩の鳴く夕暮れは立ち待たれつつ」
「来めや(こめや)」は、来るの「く」の未然形「こ」+推量の助動詞「む」の已然形「め」+反語の係助詞「や」で、来るだろうか、いや来ない、の意味。
「ひぐらし」は、その日を過ごす(日暮らし)と、蝉の蜩(ひぐらし)の掛詞。「鳴く」は、蜩が鳴く、自分が泣いて待っていることの掛詞です。
「たちまたれつつ(立ち待たれつつ)」は、立って待つに、自発の助動詞「る」の連用形「れ」+継続の助詞「つつ」で、自然と立って待ち続けている、の意味。
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