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古今集巻第十八 雑歌下 954番

題しらず
よみ人しらず
世の中のうけくにあきぬ奥山の木の葉にふれるゆきや消なまし

世の中の憂けくに飽きぬ、奥山の木の葉に降れる雪や消なまし

世の中の憂いにはもう飽きてしまった、奥山の木の葉に降る雪がすぐに消えるように、そこに行って消えてしまおう

「うけく」は、「うし(憂し)」の連用形「うけ」+名詞形接尾辞「く」で、憂きことの意味。
「奥山の木の葉に降れる」は、雪(行き)に掛かる序詞です。
「雪」と「行き」が掛詞になっていて、「雪は消えるのだろうか」と「行きや消なまし」(行って消えてしまおうか)の二重に意味があります。

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