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古今集巻第十八 雑歌下 946番

題しらず
ふるのいまみち
しりにけむ聞きてもいとへ世の中は波のさわぎに風ぞしくめる

布留今道
知りにけむ聞きても厭へ世の中は波の騒ぎに風ぞ敷くめる

知っているだろうし、そしてこれを聞いて避けなさい、世の中は波が立って騒がしい上に、風も強く吹いて、落ち着くことがない

「しく(敷く、頻く)」は、一面に散らばる、折り重なる、ことです。「頻く」は、「しきりに」とか「しくしく(泣く)」などに通じます。ここでは、強く吹くと訳しました。
「波の騒ぎに」の「に」は、添加の接続助詞「に」。その上に、ぐらいの意味です。

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