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古今集巻第二十 大歌所御歌 1073番
しはつ山ぶり
よみ人しら
しはつ山うちいでて見ればかさゆひの島こぎかくるたななしをぶね
四極山振り
四極山打ち出でて見れば、笠結の島漕ぎ隠る棚無し小舟
四極山の歌
四極山(しはつやま)を出て眺めて見ると、笠結(かさゆひ)の島のあたりを漕いで隠れて行く棚無し小舟だ
「しはつ山」は、どこか分かりませんが、「四極山」と書いて、和泉や摂津あたり、または三河のあたりなどの説があります。笠結の島も、笠縫(かさぬひ、かさゆひ)の島として出てくるようです。万葉集巻三272の高市黒人の歌が、この歌によく似ています。
「四極山うち越え見れば笠縫の島漕ぎかくる棚無し小船」
棚無し小舟は、船底に棚板(船底の長手方向の補強板)が無い小船だそうです。
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