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古今集巻第十五 恋歌五 827番
題しらず
とものり
うきながら消ぬるあわともなりななむながれてとだにたのまれぬ身は
題知らず
紀友則
浮きながらも消えてしまう泡となってしまいたい、流れて下さいとさえ頼まれないこのわたしなので
「浮きながら消ぬる泡とも成りななむ、流れてとだに頼まれぬ身は」
「浮きながら」は「憂し」との掛詞。
「消ぬる(けぬる)」は、消える意味の動詞「く」の連用形「け」+完了の助動詞「ぬ」の連体形「ぬる」、「消えてしまう」意味ですが、この世から消えることも指しています。
「なりななむ」は、動詞「なり」の連用形「なり」+完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」+願望の助動詞「なむ」で、「なってしまいたい」の意味。
「流れてとだに」は、「流れてください(流れて)」「と」「さえも(だに)」です。
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