古今集巻第十三 恋歌三 662番
題しらず
みつね
冬の池にすむにほ鳥のつれもなくそこにかよふと人にしらすな
題知らず
凡河内躬恒
冬の池に棲む鳰鳥が平気で水底にくぐり通うように、そこのあなたのところにわたしが無関心なふりをしてさり気なく通うことを人に教えてはいけない
「にほ鳥」は、鳰(にお)、かいつぶりです。琵琶湖にいるようです。大津の琵琶湖岸には「におの浜」というところもあります。
「つれもなく」は、寒い湖に平気でもぐることと、さり気なく女性のもとへ通うことの意味を重ねています。あてにならないという意味の「つれない」とは少し違います。
「そこ(女性の家)」と「底」が掛かっています。
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