古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1022番
題しらず
よみ人しらず
いそのかみふりにしこひの神さびてたたるに我はいぞねかねつる
石上古りにし恋の神さびて祟るに我は寝ぞ寝かねつる
石上の布留の里が古くからあるように、とても古くなった恋は神になって怖ろしい物になって祟ってきたので、我はろくに寝ることも出来ない
「石上(いそのかみ)」は「ふる」の枕詞。
「神さぶ」は「古くなって神々しくなる」ことです。
「神さびて祟る」は、古い恋が神威を帯びて祟ると言う冗談です。
「いぞねかねつる」は、「寝を寝(いをぬ)」(眠りを寝る、寝ること)を「かねつ」(しかねる、できない)、つまり「眠れない」という意味です。
名詞「寝(い)」+格助詞「を」に変えて強調の係助詞「ぞ」+動詞「寝(ぬ)」の連用形「ね」+困難を表す補助動詞「かぬ」の連用形「かね」+過去の助動詞「つ」の連体形「つる」(係結び)です。
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