古今集 巻三 夏歌 165番
はちすの露を見てよめる
僧正へんぜう
はちす葉のにごりにしまぬ心もてなにかは露を玉とあざむく
蓮の葉を見て詠んだ歌
僧正遍昭
蓮の葉は生えている泥に染まらない美しい心を持ちつつ、なぜか露を宝の玉のように見せかける
蓮は仏教の象徴です。露は、昼になれば消えてしまうので、はかなさを表します。玉は魂や良いもの、利益、または仏さまの教えの貴重さを示します。はかない露を玉のような利益に見せかけるが、そこにこだわらずに仏さまの教えに帰依しなさいという意味か、はかない露さえも貴重な玉に変えてしまう仏さまの教えの素晴らしさを言っているのか、だと思います。
この和歌は、法華経の涌出品の「世間の法に染まざることは、蓮花の水に在るが如し」によるそうです。
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