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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1023番

題しらず
よみ人しらず
枕よりあとよりこひのせめくればせむかたなみぞとこなかにをる

枕より跡より恋の攻め来れば為む方無みぞ床中に居る

枕の頭の方からも足元からも恋の魔物が攻めて来るので、どうしようもないので寝床の真ん中に座っているのだ

「枕より」は、頭の方から。
「あとより」は、足跡と言う時の「あと」で、足元のほうから。
「せむかたなみぞ」は、「(どうにか)する方法が無いので」の意味。「なみ(無み)」は、形容詞「なし」の語幹「な」に、原因理由を表す接尾辞「み」が付いたもの。現代でも「おかしみがある」等と言います。「おかしさの理由、原因がそこにある」意味を表します。
「居る(をる)」は、そこにいること、座っていることです。「床中(とこなか、布団)」に「をる」ので、布団の上で座っていることになります。

状況がよくわかりませんが、考えても(枕、頭)、歩き回って行動しても(足元)、恋の悩みは解決せず、仕方なく寝ようとしたが、気になって眠れないので、布団の上に座っている、と言うところなのでしょう。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #恋 , #床中

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