題しらず
よみ人しらず
夏虫の身をいたづらになすこともひとつおもひによりてなりけり
題しらず
よみ人しらず
夏の虫が火に飛び込んでその身を失くすことも、人が恋の思いに悩んで身をむなしくすることも、同じ思いの火によってなのだ
夏虫は「火取り虫」で蛾のことです。「思ひ」と「火」は掛詞。この掛詞は無理があるように思えますが古今集などでは比較的よく出てきます。
「身をいたづらになす」とは、身をむなしくする、つまり死ぬことです。
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