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古今集 巻四 秋歌上 177番

寛平御時、なぬかの夜、うへにさぶらふをのこども、歌奉れと仰せられける時に、人にかはりてよめる

とものり

天の川あさ瀬しら波たどりつつわたりはてねばあけぞしにける

宇多天皇の寛平の時、7月7日の七夕の夜、殿上人でいらっしゃる男性たちに、天皇が歌を読んで奉れと仰せになった時に、人に代わって詠んだ歌
紀友則
天の川を浅瀬がどこか知らず、白波の立つ辺りが浅いかとたどって渡って、渡り終わらないのに朝が明けてしまった

 彦星が苦労して渡っていたけどたどり着く前に朝になって織姫に会えなかったという情景です。恋への必死な思いと、不器用で滑稽な姿に、嬉し悲しい感じなのでしょうか。
 まだ若い男性が、女性の家に忍んで行こうとして、その段取りがよくわからず手探りでおろおろしている様子を想像したのかもしれません。自分の従者をお相手の女性のお付きのもののところに行かせて、心づけを渡すとか、きっといろいろな決め事があったと思います。

#古今集 , #秋 , #天の川 , #寛平御時

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