古今集巻第十八 雑歌下 974番
返し
よみ人しらず
難波潟うらむべきまもおもほえずいづこをみつのあまとかはなる
難波潟恨むべき間も思ほえず、何処を三津の尼とかはなる
何を恨んでいるのか、そんな間があったと思えない、わたしのどこを見て、難波の三津の寺の尼になったのか
973番の歌への返歌です。「なんとも思ってもらえないので、恨んで尼になります」という歌に対して、どうしてそんなに怒っているのか、全くわからない、という歌を返しています。
「なにはがた」は「難波潟」と「何」をの掛詞、
「いづこをみつの」は、どこを「見て」、と、「三津の」の掛詞です。
「あまとかはなる」は、途中に疑問の係助詞「か」を挟んでいますので、「尼になったのか」という疑問です。なぜ尼になったのか、本当に尼になったのか、全然理解できない、という意味です。
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