古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1027番
題しらず
よみ人しらず
あしひきの山田のそほづおのれさへ我をほしてふうれはしきこと
あしひきの山田のそほづ己さへ我を欲してふ憂はしきこと
美しい山里の田の案山子のような男、お前さえも私を妻に欲しいと言う、嘆かわしいことだ
「そほづ」は、案山子のことです。ここでは田舎者のみすぼらしい男を指しています。
その男までが「我を欲してふ(われをほしちょう)」(私を妻に欲しいと言う)、そんなのは嫌だよと、きつく断っています。
「うれはし」は、「憂はし」、嫌だ、残念だ、嘆かわしいと言う意味です。
「山田のそほづ」といえば武笠三(むかささん)作詞の童謡「かかし」があります。この歌でも、かかしは馬鹿にされています。
山田の中の一本足のかかし
天気のよいのにみの笠着けて
朝から晩までただ立ちどおし
歩けないのか山田のかかし
山田の中の一本足のかかし
弓矢でおどして力んで居れど
山では烏がかあかと笑う
耳が無いのか山田のかかし
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