古今集巻第十八 雑歌下 988番
題しらず
よみ人しらず
逢坂の嵐のかぜはさむけれどゆくへしらねばわびつつぞぬる
逢坂(あふさか)の嵐の風は寒むけれど行く方知らねば侘びつつぞ寝る(ぬる)
逢坂山の嵐の風は冷たく寒いうえに、どこへ吹いて行くのか分からないので、心細く思いながら寝ている
「寒けれど」は、「寒いけれども」ですが、「寒いし、その上に、どこへ吹いていくのか分からない」ので「侘びつつ寝る」のだと思います。
作者自身も地方に行くことになっているなどで、自分はどこへ吹いて行くのだろう、と言うような不安を持っているのだと思います。
逢坂山は、京都と滋賀の県境、逢坂の関があるところです。都に住む人にとっては、逢坂山は別世界との境界のようなもので、特別な感慨があるようです。
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