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古今集巻第二十 東歌 1089番

みちのくうた
よみ人しらず
わが背子を都にやりてしほがまのまがきの島のまつぞこひしき

陸奥歌
詠み人知らず
我が背子を都に遣りて塩釜の籬の島の松ぞ恋しき

陸奥の歌
詠み人知らず
我が夫を都に送り出して、塩釜の籬の島の松とともに、夫の帰りを待つのは、恋しい気持ちでいっぱいだ

夫が、庸などの役務で都に行ってしまい、いつ戻るのかも分からずに、一人で待つのはとても恋しい気持ちになる、という歌です。
「背子(せこ)」は、女性から見て親しい男性を指す言葉です。夫や恋人、または兄弟などに対して使います。
「塩釜の籬の島(しほがまのまがきのしま)」は、宮城県塩竃市新浜町の籬島(まがきしま、曲木島)。
「松」と「待つ」は掛詞です。和歌でよく使われます。

#古今集 , #東歌 , #陸奥歌 , #背子 , #塩釜 , #籬島 , #松

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ちのみゆき
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