古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1064番
題しらず
おきかぜ
身はすてつ心をだにもはふらさじつひにはいかがなると知るべく
題知らず
藤原興風
身は捨てつ心をだにも放ふらさじ、遂には如何がなると知るべく
この身は捨てた、だが心だけでも放り出さないでおく、最後にはどうなるのか解るように
「身を捨てる」のは、直接的には身体のことはどうでも良い、ということですが、出世を諦めたとか出家した、という意味だと思います。
「心をだにも」は、せめて心だけでも、の意。
「はふらす(放らす、ほうらす)」は、打ち捨てる、放り出す、の意。「はふらさじ」で、放り出さないぞ、という強い決意。
「知る」は、ここでは、体験すること、身を以って知る。
出世も恋も若さも、そういうものは諦めた、そうすると今後はどうなるのか、どんな境遇が待っているのか、それを最後まで見届けよう、という歌です。
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