古今集巻第十八 雑歌下 956番
山の法師のもとへつかはしける
凡河内みつね
世をすてて山に入る人山にてもなほうき時はいづちゆくらむ
山の法師の元へ遣はしける
凡河内躬恒
世を捨てて山に入る人、山にても猶憂き時はいづち行くらむ
山寺の法師の元へ送った歌
凡河内躬恒
世を遁れて山の寺に入った人は、山寺でも憂いを感じる時はどこへ行くのだろう
「山」は、比叡山のことですが、他の山寺かもしれません。
「いづち」は、いづこ、どこ、のことです。
ちょっと皮肉っぽい歌です。世の普通の暮らしが辛いと山に入るのはいいけれど、山でも辛いときはどうするのか、結局はどこにいても同じ、逃げるな、ということでしょう。
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