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古今集 巻三 夏歌 153、154番

寛平御時きさいの宮の歌合のうた

紀友則

五月雨に物思ひをれば郭公夜ぶかくなきていづちゆくらむ

夜やくらき道やまどへるほととぎすわが宿をしもすぎがてになく

寛平の御時の后の宮の歌合の歌
紀友則
五月雨(さみだれ)の降る中でものを思いながら過ごしていたら、ほととぎすが夜遅くに鳴いて、あれはどこに行くのだろうか、あの女性のところにも行くのだろうか
夜が暗いのか、道に迷ったのか、ほととぎすはわたしの家を過ぎて行けずに鳴いている、わたしも恋の道が暗く迷ってしまい家から出難くなっている

 ほととぎすは暗い間にも飛んで来て鳴きます。ほととぎすが鳴くのは妻を探しているからだという感覚があるので、恋人とのかかわりにも例えられやすいようです。
 「すぎがて」は漢字で「過ぎ難て」。過ぎがたいという意味です。

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