古今集巻第十五 恋歌五 752番
題しらず
よみ人しらず
見てもまたまたも見まくのほしければなるるを人はいとふべらなり
題知らず
詠み人知らず
逢ってもまた、また逢いたいというのは、馴れて当たり前になることをあの人は嫌がっているのだろう
「見てもまた、またも見まくの欲しければ馴るるを人は厭うべらなり」
逢ってもまたすぐ逢いたくなって新鮮味がなくならないのは、あの女性がわたしに馴染んでしまうことを避けているのだろう、という判りにくい歌です。自分がある気持ちになるのは、相手がそれを強く望んでいるからだ、というのが当時の考え方が根っこにあります。人が夢に出てきて楽しかった場合、その人は自分のことが好きだからだ、というのもあります。
「見まくほし」は逢いたいという意味で、語調を整えるため、間に「の」を入れています。
いいなと思ったら応援しよう!
応援してやろうということで、お気持ちをいただければ嬉しいです。もっと勉強したり、調べたりする糧にしたいと思います。