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古今集巻第十 物名 450番
さがりごけ
たかむこのとしはる
花の色はただひとさかり濃けれども返す返すぞつゆはそめける
下り苔
高向利春
花の色はほんのひと盛り濃く美しいけれども、それは繰り返し露が染めているからだ
「ただひと『さかり濃け』れども」と詠み込んでいます。
桜の花の色が盛りになって濃く美しくなるのは、繰り返し露が染めていっているからだ、つまり美しく素晴らしい高まりの為には、繰り返しの陰の努力が必要だというのがよくある解釈です。陰で他人が助けているとも読めます。高い地位に登るための陰での努力、女性の美しさは繰り返し男性が言い寄るから、など、いろいろな意味に取れそうです。
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