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古今集巻第二十 東歌 1093番

みちのくうた
よみ人しらず
君をおきてあだし心をわがもたばすゑの松山波もこえなむ

陸奥歌
詠み人知らず
君を置きて徒し心を我が持たば末の松山波も越えなむ

陸奥の歌
詠み人知らず
あなたを差し置いて他の人に向けるような心を私がもし持ったなら、末の松山を波が越えるでしょう

もしも浮気心を持ったなら、波が絶対に越えない末の松山に波が来てしまう、そんなことはありえません、と言う歌です。
末の松山は、宮城県多賀城市の末の松山のことのようです。東日本大震災で、津波の時はここまで逃げるべきだと伝説のように言われていた場所が、本当だったと再認識されました。その一つが末の松山です。「末」は、波の端っこ、先端という意味だろうと思います。
「末の松山」は、歌枕なので、ほかにも歌があります。有名なのは百人一首に取られている清原元輔の歌があります。
「契りきな かたみに袖をしぼりつつ末の松山波こさじとは」(約束したよね、互いに袖の涙を絞りながら。末の松山に波が越さないように、私たちの約束も切れることはないと)。

#古今集 , #東歌 , #陸奥歌 , #あだし心 , #末の松山

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ちのみゆき
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