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古今集 巻三 夏歌 143、144番
郭公のはじめてなきけるをききてよめる
そせい
郭公はつこゑきけばあぢきなくぬしさだまらぬ恋せらるはた
ならのいそのかみでらにて郭公のなくをよめる
そせい
いそのかみふるき都の郭公声ばかりこそむかしなりけれ
ほととぎすが初めて鳴いたのを聞いて詠んだ歌
素性法師
ほととぎすの初声を聞くと、悲しいことに相手が決まらない恋心を持ってしまう、それも再びだ
奈良の石上寺でほととぎすの鳴くのを詠んだ歌
素性法師
石上の昔の都のほととぎす、声だけは昔のままだなあ
主定まらぬ恋とは、相手も決まらないのに芽生えた恋心、ということ。最後の「はた」は再びの意味。「はたまた」の「はた」。
奈良の石上は、今の天理のあたり石上神宮があるところの石上布留です。石上寺は素性法師がいたお寺で良因院と言うそうです。もともと石上は、安康天皇、仁賢天皇の都だったので、古き都と言っているようです。
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