古今集巻第十七 雑歌上 879番
題しらず
なりひらの朝臣
おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの
題知らず
業平の朝臣
大方は月をも愛でじこれぞこの積もれば人の老となるもの
今はもう、たいていは美しい月も愛でることはない、この月こそこが積もって、人の老となるものだからだ
空の月と年月の月を掛けています。空の月が毎日出ては隠れると、それは年月が経つことを意味するので、もう若くないので空の月を素直に美しいと喜べない、という歌です。
この歌は伊勢物語の88段にも出ています。
昔いと若きにはあらぬ これかれ友だちどもあつまりて、月を見て、それがなかに一人、
おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老いとなるもの
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