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古今集 巻第五 秋歌下 272番

おなじ御時せられける菊合に、すはまをつくりて、菊の花うゑたりけるにくはへたりけるうた。吹上の浜のかたに菊うゑたりけるによめる

菅原朝臣

秋風の吹きあげにたてる白菊は花かあらぬか波のよするか

(前の歌と)同じ寛平の御時にお開きになった菊合わせで、庭の池に向けて洲浜を作って、そこに菊の花を植え付けた飾りに供えた歌。紀の国の和歌浦の吹上げ浜の形に菊を植えてあったのを詠んだ歌
菅原道真朝臣
秋風が吹き上げる吹き上げの浜に立っている白菊は、花か、そうではないのか、波が打ち寄せたものか

 和歌山県の和歌の浦は和歌の歌枕です。古くからの景勝地で和歌に詠まれるので和歌の浦なのでしょう。その和歌の浦とかその他いろいろのものを、箱庭のようなもの(州浜)に菊をあしらって宮中にの庭に作り、それを鑑賞して和歌を詠むのが菊合わせです。
 「合わせ(あはせ、あわせ)」は、対戦する遊びのことです。菊合わせは、何人かの人が菊を使った州浜などを作って、みんなでどれがよいかを判定します。歌合わせ、貝合わせなども、歌を競う、きれいな貝殻を競います。今でも京都では花札で遊ぶことを、花合せと呼んでいます。

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ちのみゆき
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