【期間限定無料】発話の自己言及+特殊な一人称──アゴタ・クリストフ『悪童日記』(堀茂樹訳、ハヤカワepi文庫)
「文学理論ノート」でこんど取り上げるのは、アゴタ・クリストフのデビュー作である長篇小説『悪童日記』(1986。堀茂樹訳、ハヤカワepi文庫)です。
Agota KRISTOF, Le Grand Cahier, 1986.
『悪童日記』をあくまで独立・完結したものとして読む
この小説は、これに続く『ふたりの証拠』(1988)、『第三の嘘』(1991)(いずれも堀茂樹訳、ハヤカワepi文庫)とともに3部作を構成しています。
作者に、この作品をもともとこのような構成に