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君たちは絶滅危惧種なのか?雑考(彼女の正体を妄想する)

こんにちは、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
……読みましたか?

2021年4月15日発売、森博嗣先生の新作、
「君たちは絶滅危惧種なのか?」
この作品を読んで、私の頭の中を駆け巡った衝撃を、ここに書き残しておきます。


※複数の森作品のネタバレがあります。

シリーズとしては、
百年、W、WWです。
未読の方はご注意ください。
また、記事の内容は、これらのシリーズを全作品読んでいることを前提としますので、各作品の詳しい説明などは省きます。


これは、あくまで個人的な妄想です。

私自身、分からないこともあるため、矛盾や穴がある箇所もあります。
それくらい非常に、かなり、ぼんやりとしたものです。
そしてめっちゃ長いです。
焼きたてのパンくらい温かく柔らかい気持ちで見てください。よろしくお願いします。
前置きが長くなりましたが、では行きます。




君たちは絶滅危惧種なのか?
エピローグ。

トランスファの彼女との衝撃の再会でした。

この場面を読んだ時に、私が思い至ったこと、それは、

「え? デボラって、ミチルなの?」

ちょっとぶっ飛びすぎたかと思いますが、どういうことかというと、

ミチルは、キョートの事件以降、バーチャルの世界に移り住んだ。
それがデボラなのではないか?
ということです。

この記事は、このことについてひたすら思いつきを書き殴ります。


まず、そう思った材料と、そこから連想された追加材料を列挙します。
散らばって分かりにくいかもしれませんが、上記の視点ありきで、ぼんやりと眺めてみてください。

君たちは絶滅危惧種なのか?
・オーロラが呼んだトランスファはデボラ
・バーチャルでの彼女の姿はセリンに似ている
・デボラは赤い目をしている
・近くを歩いている小さな犬 

女王の百年密室
・クジ・アキラのボディにサエバ・ミチルの人格。

血か、死か、無か?
・サリノの顔はクジ・アキラに似ている
・アキラのボディは百年ほど前にキョートで死亡
・ロイディが発見され内部にミチルの脳 

キャサリンはどのように以下略
・キャサリン・クーパはバーチャルへ移住、バーチャルには娘もいる 

幽霊を創出したのは誰か?
・おそらく2080〜90年代くらいに、ロベルト・トレンメルはバーチャルの世界へ移住

赤目姫の潮解
・赤い目の女性
・ミス・クーパ
・おそらく、トランスファ(バーチャル)の世界を描いている
・(抜粋)ほら、私の犬が駆けてくる。金色の毛のロイディが。 


どうでしょうか。
これ、私にはぼんやり、こう見えたのです。


ミチルは百年前、キョートで殺されたアキラボディと別れた後、
ロイディの中で脳だけ生きている状態で、
人格の移行の技術を施され、
キャサリンや幽霊で語られたバーチャルへのお引越し的な感じで生き延びた。
そして、この時実物のロイディと脳はぬけがらとして現実世界に残され、
それが時を経て、エジプトで発見された。
バーチャルの世界で生きるミチルを赤目姫として描いたのが、赤目姫の潮解。



では、なんとなく、そのままぼんやり、
以下の作品の抜粋も見てみてください。

デボラ、眠っているのか?
"デボラは、女性だと思っていた。声を聞いたわけではないが、今は男性的なイメージだった。 "

天空の矢はどこへ?
"キガタが言った。それはデボラの声だった。 "


なんだか、ぼんやり、
デボラ=キガタ=アキラ=ミチル
というラインが浮かぶような気がします。


これが、私の「デボラ=ミチル」という発想の背景です。
実際は、読みながら、
「セリン……アキラ……? ミチル?!」
という単純なステップだったので、
確実な根拠や、決定的な場面というのは、正直これといって思いつきません。
ただ「そういう目線で他の部分も見てみると、結構そう見えてしまうな……」という程度です。


私はずっと不思議だったのです。
どうしてトランスファの世界を描いた赤目姫が、
百年シリーズなんだろう?と。
どちらかと言えばWの方が近いし、主人公も変わってるのに……?
百年て言われても、これだけ浮いてるよな〜と。
しかし、赤目姫=デボラ=ミチルならば、
主人公、変わってなかった。
そうなると赤目姫が百年シリーズであることにも妙に納得出来てしまいます。


そして、この発想を起点にこれまでのW〜WWを見直すと、興味深いな……という場面がちらほらあります。

その中のひとつが、
血か、死か、無か?
ハギリ御一行がロイディを発見するシーンです。

デボラが急に黙って、
その後急に「生体反応を調べて下さい」って言うんです。

 棺の中には、たしかに、人が横たわっていた。 
 だが、ナクチュの王子ではない。
 ウグイも驚いた顔である。予想外だったみたいだ。
「誰だ、これ」僕は呟いた。デボラに答を求めたのだ。
  しかし、デボラも答えない。演算中なのか。

「生体反応を調べて下さい」デボラが突然言った。
「え?」ウグイにも、その声が聞こえたようだ。

これ、もし、
デボラ=ミチルが、100年ぶりに現実世界のロイディと対面した場面だとしたら、
……やばくないですか。

想像を掻き立てられますね。


では、ここからは、
「そうなると、これはどういうこと?」
という、私自身もさっぱり分からない、ただなんとなく関係ありそうだぞ、という事項を挙げていこうと思います。
穴や繋がらない部分もあるので、
あくまで「この辺がもっと分かれば、面白いなぁ」というくらいの感覚で見て下さい。


デボラといえば、もう一人、関係する人物がいます。
カンマパです。
彼女の名前は、カンマパ・デボラ・スホ。
そのカンマパが、「風は青海を渡るのか?」の中でハギリに宛てたメールに、こんな記載があります。

"私の先祖は、この地へ移ってきた者の中から、ある方に選ばれて代表者となりました。"
"私の先祖を選んだ方こそが、ここの統率者だったのです。"
"私の先祖は、今はここにはおりません。死んだと申し上げましたが、そうではなく、別のところへ移されました。"

これは、統率者が、マイカ・ジュク。
そして、気になるのが、
「死んだのではなく、別のところへ移された」
これ……バーチャルのことでは?


そして、もうひとつ、
これは私も、
うーん、ここは繋がらないなぁ……
と、デボラ=ミチル説を揺るがす部分として見ているのですが、
「デボラ、眠っているのか?」の中で、
ハギリの夢にデボラがアクセスしてくるシーンがあります。
以下に抜粋します。

"「カンマパを知っている?」ときいてみた。(中略)
「知っている。私の娘」デボラは答えた。
 娘? どういうことだろう。
 そのとき、デボラの母の顔が見えた気がした。水の中にいて、水面に顔を出したところだった。(中略)
 やはり、母親ということだろうか。それで、カンマパにその名が受け継がれたのか、と僕は考える。(中略)
 水面から顔を半分出していた。口は水面下なので、口で声を出しているなら、泡が出るはずだが、水面はまったく乱れなかった。
 この顔を見たことがある、と僕は思い出していた。
 そうだ。あの巨大な顔の像。"

デボラの娘がカンマパで、デボラの母がアミラ……?
となると、ミチルの娘がカンマパで、そうなるとアミラが四季?
……これは随分と苦しいですね。
ちょっと通る筋が見当たりません。

考えられるのは、例えば、
ここでデボラの言うカンマパが、リアルのあのカンマパであるかも分からないし、下手したらバーチャルにもカンマパはいるかもしれない、
娘というのも、実の娘以外にも、クローンや関係性など、別の解釈のし方はいくらでもある……かもしれない……。
そもそも、バーチャル側の世界は謎が多い……。

デボラがミチルと関係していて、ミチルがバーチャルへ移住したなら、
カンマパの言う、先祖が別のところへ移されたという部分はなんとなく繋がりそうなものの、
でもやっぱり、カンマパがミチルの娘というのは……。
アミラが四季というのは、アミラの「顔」が四季をモデルに作られていることを指している、と言えばギリいけるかもしれないですが、
う〜〜〜んどう考えたらいいでしょうね……。


こうなってくると、もう少し時間をかけて色々考えてみたいなぁ、という感じです。
非常にざっくりしていますが、
絶滅危惧種を読んで私が考えたことは、こんなところです。
いきなり終わってすみません。

あのエピローグからの発想、そこから伸びたイメージの枝葉、みたいなものなので、しっかりした考察などは特にありません。
あくまで、真偽は別として、
こんなことを考えたよという、いち感想でございました。
抜けていることや間違いもあるかと思いますが、
大目に見てください。

はああ〜〜……吐き出したぁ〜〜………。

結局……ミチルとロイディには、何があったんでしょうね……。
ミチロイ推しの私としては、知りたいような知りたくないような……。
わからん。
続編が待ちきれません。


君たちは絶滅危惧種なのか?
面白かったですね。

私はこれから、W〜WWを読み直そうと思います。
正直、忘れてしまった部分も多いので、読み直したら、
もしかしたら結果的に、この発想を否定する考えに至るかもしれませんが、それはそれとして、
どのみち楽しいので大変よろしいですね。


最後に、
私の荒ぶったイメージの断片を、否定せず一緒にたどって下さった森ミス読者の方から、
このことを記事として残してみては?と提案され、これを書くことにしました。
なので、この記事の中には、その方から頂いた発想の枝葉も多く含まれます。
解釈や考えは人それぞれですが、だからこそ、一緒に考えてみると面白いし楽しいと、改めて感じました。
この場を借りて、感謝いたします。
みんなも森ミスの話しようぜ……楽しい……。

とりとめのない長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさま、良い森ミスライフを。では。

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