社会関係資本の経済効果のミクロ的チャネル
書籍メモ。
最近読んでるのがこちら。
そこでソーシャル・キャピタル(社会関係資本)のミクロ的チャネル、つまり信用を蓄積・活用することが具体的になんのメリットがあるのかということをまとめた著書があったので紹介します。
第一グループ:情報の不完全性を軽減する効果に由来するもの
1. 契約のコストや訴訟を削減する
2. 資源の動学的(時間のズレや原因・結果の関係を含めて)配分を効率化する
3. 建設的な交渉を可能にする
4. 準秘密情報の交換を通じてビジネス・チャンスを拡大する
第二グループ:市民的成熟に由来するもの
1. 治安の良さでメリットを受ける産業がある
2. ネットワーク外部性のメリットを活用しやすくする
3. 良好な社会関係資本はそれ自身の蓄積を促進する
4. 公共施設の自主管理などの可能性を左右する
5. 政府の効率性も左右する
第三グループ:インセンティブを通じた影響
1. 人的資本の蓄積と前向きな挑戦を促進する
2. 企業のガバナンスにも重要な役割を果たし得る
3. 地域社会を個性的なものにし、それがビジネス・チャンスを生み出し得る
4. 社会的消費を促進する
その他:
1. 貯蓄率に影響を与える(例えば地域社会の助け合いは、経済的リスクをプールするので貯蓄率を下げる)
2. 企業の清算価値と存続価値の差を拡大させ、破綻処理の制約要因になり得る
3. 高齢者の健康を増進するなどして、財政赤字の削減に貢献する可能性がある
4. 地価に影響を与える
5. 地域経済の自律度を高め、地域の所得水準を高める効果をもちうる
一旦こうして類型化されると測定の糸口が掴めそうな。