ワークスペース種別、コミュニティの成果の測り方
今回はコミュニティの成果指標についてです。趣味ではなくコミュニティを事業として継続していく以上は成果指標が重要。その成果によってコミュニティチームがちゃんと頑張っているか、スペース運営に異常が起きていないかを理解することができます。また、あくまで成果指標はバロメーターです。
コミュニティの評価指標は扱っているコミュニティについてまちまち(カスタマーコミュニティ、コミュニティマーケ、趣味のコミュニティなど)ですが、今回はコワーキング、ということでお話を進めていきます。スペースの中心となる顧客によって合う目標と合わない目標があるのでその辺りも紹介していきます。
成果指標その0. 空室率、空席率
この目標が合うスペース:全スペース
まずは空室率、空席率ですね。こちらはどのスペースも気にしていました。マーケティング(営業活動)のアクセルの踏み方にも影響しますし、レイアウト変更や席数の増加など、様々な活動に影響します。こちらは抑えておきたい指標です。
コミュニティの成果指標その1. 新規利用者の紹介
この目標が合うスペース:ドロップインや1人月額利用会員が中心のスペース
まずは紹介です。これはわかりやすいですよね。良いコミュニティを作ることで利用者が新たな顧客を紹介してくれるというもの。この概念を広げて顧客獲得コストの低減、という見方もできます。利用者や運営メンバーの友人達が紹介しやすくなったり、気軽に接点を持ちやすいイベントを開催したりするのがポイントとなるでしょう。
コミュニティの成果指標その2. 入居者のうちの来館率
この目標が合うスペース:利用者の中心が会社員であるスペース
こちらは会社ごと入居しているスペースの場合に適しています。現在ではオフィスを縮小しコワーキングを契約する会社もあります。その中で契約している会社に所属する社員の方々が実際にどれくらい来ているか、ということが重要になります。というのも、契約はしているけれど実際には全然使われていない…ということになれば不要なサブスクを解約する際に一緒に整理されてしまいます。このスペースではとにかく利用者にとって使いづらいところを改善し、イベントなどで"毎日通いたくなるスペース"を目指すのが良いです。
コミュニティの成果指標その3. 入居者の課題ヒアリング数、マッチング数
この目標が合うスペース:インキュベーション施設、広い個室やフロアを持っていて利用者へのアップセルが見込めるスペース
こちらは入居者の課題をヒアリング、課題に応じてマッチングするという割とマッチョな取組です。自社が持つリソース(投資機能、事業者ネットワークなど)をフルに活用して入居者を支援することで入居者は事業拡大ができて嬉しい、スペース側はより大きな部屋を借りてもらって嬉しい、という構図です。現地ではVCが入居してメンタリングやピッチイベントの開催を行う、といった動きも見られました。スペース側は自社でコンテンツを用意しなくて済み、VC側は入居費用を抑えたり施設運営をしなくて済み、更に投資先との接点を持てるのがメリットです。
Hero City内にあるBoost VCのオフィス。Timの息子さんの会社だとのこと
これからは入居者の一対一課題ヒアリングに価値が
今後コミュニティは一対一の課題ヒアリングに価値がいきます。というのも、居心地や課題は1人1人異なります。ですがどうしてもイベントや施設の雰囲気作りでは1人1人ではなく全体であったり、多数にアプローチするようになってしまいます。また、そのイベントでも結局重要なのは1人1人とのコミュニケーションです。イベントやサービスの充足など、様々なサポートを取り揃えて顧客の課題解決をしていくよりも、1人1人の抱える負や課題に対して最適な解決策(人を紹介する、相談に乗るなど)を提案していくマイクロコミュニティマネジメントが主流になっていきます。既にアメリカではそういった管理手法の萌芽が出ています。この流れは日本に確実にやってくるでしょう。
ということで今回はコミュニティの成果指標についてでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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