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ボケたばあちゃん相手にガチで言い合う孫
うちの祖母は、二人ともボケてる。
一人は90超えてもなお畑仕事に出れるような、恐ろしく堅強なおばあちゃん。
本人も周りもボケてきたと言うけれど、田舎で広い家を守り、家事炊事も一人でこなすんだから十分だと思う。
私が言い合うのは、こちらのおばあではない。
もう一人の、口だけ達者な暴れ馬おばあ。
こちらの祖母は80すぎて、最近腰を痛めてしまい、ひとりでは思うように出歩けないようで、いざ出かけても「ここはどこ私は誰」状態になることもあるらしく、ちょっと不安がある。
なのに、口だけは驚くほど達者。
堅強。なんでも、ああ言えばこう言う。
週に何度か来てくれるヘルパーさんも、近くに住む叔父が毎日のように食べ物など必要なものを買って持ってくことも、覚えてられない。
まあそれがボケるということだから、別にいい。
なのに、口だけは驚くほど達者。(二回目)
堂々と「そんなこと、してもらっとらん」と強気で言い切る。「いっつも私のことは放ったらかし」とか「なーんもしてくれん」とまで言って叔父を責めるから呆れる。
「えぇ…やってくれてるの?私ボケちゃったのかねぇ…」と、しおらしくすればまだ可愛いものを。
まあでもこれもひっくるめて、ボケ老人あるあるなのかもしれない。
で、こういう話になるのは、おばあに会うついでに一緒に叔父の家へお邪魔し、いとこもみんなで庭先でBBQしてもらってるとき。
「してもらってない」というおばあ、「何を言いよるんね」と返す叔父&母。親戚一同がわぁわぁ言い合う。
でも問題はそこではない。
その話より、圧倒的無限ループが繰り返されるのは、私に対してなのよ。
👵「あんたぁいくつになったんね」
ーー29。
👵「ッカーーー!もうそんな歳ね!」「まだ結婚しとらんのに!」「あたしゃ18で結婚したのに!」
ーー……(だいたい無視してBBQの肉を頬張る)
👵「あんた、彼はおるんね??」
ここが、分岐点。
適当に流すか、このボケたおばあにとことん付き合うか。
これは私の気分で決まる。
適当に流すなら、こうだ。
ーー…おらんよ。
👵「ッカーーー!しょうもない!男の一つも捕まえれんのね!おばあが紹介したげようか!」
ーーはいはい、山の上に住んどる人じゃろ。
👵「そうそう、でもねぇ、甲斐性がないのがいけんよねぇ」
毎回必ずこうなる。冗談なしの100%。
この世に絶対はないけれど、これだけは絶対。
そして山の上に住んでるだけで、勝手に毎回ディスられてる彼が可哀想すぎる。3896周くらい回って気になってきた。山といったって周りより少し小高い程度だろうに。
ちなみに「彼氏100人侍らしとるわ😎」と言ってかわすパターンもある。なぜだかこのパターンだと、うやむやになるのよ。
おばあは、ツッコみもしなければ食いつきもせず「ッチ!またこの子は適当なこと言うてから!」とぶつぶつフェードアウトして他の話に移る。
これもこれでおもろい。
一方、とことん付き合う、いや、からかうパターンはこれ。
👵「あんた、彼はおるんね??」
ーーおらんけどさぁ~おばあも居らんじゃん?ッハーー!しょうもない!🤭ククク
と、先にけん制するわけよ。そしたらもう、おばあの闘志に火がつくわけ。
👵「ッカーー!何を!ほんまにこの子は!」「なぁーーんぼでもおるわいね!」「遊びに行く友だちがいーーーっぱい居るんじゃけぇ!」「あんたとは違うんよ!」
何なんだろうか、この闘志は。防衛本能なのだろうか。
とにかく、ふんすふんす鼻息荒くあれこれ言い始めるから、私も応戦する。
👵「いいから早よ嫁に行け」「あたしが生きとる間に行かんかい」
ーー私が嫁に行くまで長生きすりゃええ
👵「そんなん無理よ、もうヨボヨボで腰も悪いのに」
ーー何を急にしおらしくして!そんだけ肉食ってビール飲めりゃまだまだ長生きできるわいね (現にBBQでは、毎回まじで普通にしっかり食べるし、ビール缶4,5本をパカパカ空ける)
👵「ッカーー!またこの子は!!……ぶつぶつぶつ」
これが一度のBBQ会で、∞回ループされる。
おばあがムキになる様子も、そんなボケ老人相手にガチで渡り合う自分も、ぜんぶひっくるめて可笑しくてたまらない。
性格悪い遊びしてるわ~~~~
だけどこのほうが、おばあにも張り合いがあっていいんじゃないかと思って、わざとこうする。
あまりさらりとあしらい続けると、さすがのおばあも「鬱陶しがられたかな」とか気にしそうな気がして。
あとは、面倒を見る叔父や母はきっと想像以上に大変でげんなりしてるだろうし、そこに私まで神妙になったら、何かがプツンと行きそうな気がする。
だから「よしきた!」という感じであっけらかんとぎゃあぎゃあ言い合うんだよね。
そしたら母や叔父家族も「またコントがはじまった」とニヤニヤ楽しむしさ。
まあ私の気分に余裕がないときは、内心(チッうるせー…歳と彼氏の有無書いたカード、首からぶら下げといたろか😑)となるけどね。
ただ、おばあの名誉のために言っておくと、ほんっとにボケてるくせに、意外にも私の誕生日もちゃんと覚えてて、電話くれたんだよね。
娘である母の誕生日を覚えてるのはまだわかるけど「私まで?!」とびっくりしたし、普通に嬉しかった。
小さい頃、両親が仕事の間、面倒みてくれてたのも祖母だから、なんだかんだ今も、私のことも気にかけて覚えてくれるもんなんだ、と。
ちなみに、私が一人暮らしはじめたことも、なぜか一発で覚えたらしい。まじで謎。
まあこれに関しては、おかげで毎回「たまには実家帰りんさい」「お父さんお母さんが寂しがっとるじゃろうに」と言われる"∞ループネタ"が増えてしまったんだけど。
謙虚さをどこかに捨てたTHEわがままボケ老人は、おおむね面倒で憎たらしいんだけど、やっぱり可愛いところもあるんだよね。
私もいつかボケたとき、大事なことだけはちゃんと覚えてられるだろうか。
今ですら、大事な友だちの誕生日を忘れはじめてる。
なんなら自分のすら危うくて、先日迎えた当日は「えぇと〜今日は何日かいなぁ〜……あっ誕生日やん!」というやつを三度くらいやりました。
ボケ老人の素質が、大いにあるな。
と、前回に続きぐだぐだ身内ネタをこすってしまいましたが、なんだかどうしても書き残しておきたくなったもんで、すんませんねぇ。
お付き合いありがとうございました。
ちなみに、前回の深夜の電話事件、翌朝母に様子見でもう一度祖母にかけ直させたところ、別に気にしてない様子だったそう。
……なんやねん!!!!!
ほな私が一番の被害者やんけ!!!!!
縮んだ私の寿命、返せ!!!!!
ボケたおばあと飲んべえのオカン(↑参照)には、まだまだ振り回されそうです。
数十年後、それが母と私にすり替わるんだろうな。
強く生きねばな。(?)
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