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中国語「了」の使い方を徹底解説【アスペクト助詞と語気助詞の使い分け】

中国語学習者を悩ませるものナンバー1と言っても過言じゃないのが”了”(le)の使い方です。
沢山の人は最初は「了=過去形」だと思いますが、だんだんに勉強するとそうでもないことが分かりました。ほかのいろいろな意味もありますね。

本記事を読むことで中国語の「了」の用法が徹底理解できます。

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今日は中国語の「了」 動態(アスペクト)助詞と語気助詞の使い分けで紹介いたします。

まずアスペクト(動態)助詞の「了」


1.動作の実現・完了の表す
2.「了」の位置は動詞の後ろに置く
3.目的語には数量詞/連体修飾語などを入れる
4.否定形は没有を使う
5.「了」が使えない場合あり

動詞の後ろに置く「了」はアスペクト助詞と呼ばれていて動作の実現、完了を表します。

zuó tiān wǒ zài shū diàn mǎi le liǎng běn cí diǎn
昨天我在书店买了两本词典
(昨日私は書店で辞書を2冊買った)


アスペクト助詞と否定形では「没有」 は使って「了」は消えます。

wǒ zài shū diàn méi mǎi cí diǎn
我在书店没买词典
(私は書店で辞書を買っていない)

アスペクト助詞の「了」は過去のことだけではない

時制がない中国語は、動詞の活用によって過去や未来を表すことができません。そこで「動作が完了した、実現した」という相対的な表現で、時の概念を表しています。
完了を表す「了」は過去形ではなく過去、現在、未来のいずれでも使えます。それぞれ日本語の意味では「〜した」「〜してから…」「〜したら…」

 wǒ chī wán le ,jiù xué xí zhōng wén  
    我吃完了,就学习中文
(食べ終えたら、中国語を勉強します)

未来のことでも完了を表して「〜してから〜する」という意味になります。

アスペクト(動態)助詞の「了」にが使えない場合

変化しない動作のとき

下記のような動詞はアスペクト助詞の「了」は使えません。記のような動詞はアスペクト助詞の「了」は使えません。

是,好像,觉得,认为,希望,需要など

理由は 動詞自体に変化していく要素がないので動作の実現・完了を表現できないためです。

習慣的な動作のとき

習慣的に行っている動作にはアスペクト助詞の「了」には使えません。

 wǒ yǐ qián zǎo shàng liù diǎn qù le shàng bān
 我以前早上六点去了上班
(私は以前朝7時に出勤した)

目的語が主語+述語のとき

中国語が目的語に主語+述語の文を置くことができますが、その場合は「了」には使えません。

wǒ yǐ jīng tóng yì le nǐ qù
我已经同意了你去
(私はすでにあなたがいくことに同意した)

語気助詞の「了」

1. 状況の変化や継続を表す
2. 「了」の位置は文末に置く
3. 否定形は没有を使う
4. アスペクトの「了」といっしょに使える
5.状態の程度を強調する

動作の状況変化

その動作自体の状況に変化があったことを表します。

wǒ xǐ huān dǎ wǎng qiú le  
我喜欢打网球了
私はテニスが好きになった
kuài xià yǔ le  
快下雨了
(もうすぐ雨が降りそうだ)

動詞だけではなくて、名詞と「了」だけでも成立する場合があります。

 shí bā suì le ,bú shì hái zǐ  
十八岁了,不是孩子
(18歳になった、子供ではない)

動作の状況継続

我学中文十年了
(私は中国語を10年間勉強している)
→今も勉強しているという意味です。
wǒ xué zhōng wén shí nián le
我学了中文十年
(私は中国語を10年間勉強した)
この文章では中国語を10年勉強した経歴はあるけど、今も継続しているかどうかはわからないです。
 wǒ xué le zhōng wén shí nián le  
我学了中文十年了
(私は中国語を勉強してから10年になる)[/box]
この文章ではアスペクト助詞の「了」 と語気助詞の「了」の2つ使われていて動作を実現してから継続していること表します。

状態の程度を強調する

形容詞の前に「太」がつくときはこの用法です。

 zhè gè cài tài guì le  
这个菜太贵了
(この料理は高すぎる)

以上、中国語の「了」の使い方をわかりやすくまとめました。

まずは動詞の後か文末にあるかどうか、そのあとに文の構造をみてそれぞれの意味を考えれば迷わず使い分けができます。

中国語の「了」を使いこなすことができれば中国語の語感が確実に向上します。


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