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リモートワークで発生した弊害 <人間不信・メンタル不調>

現在、僕は日本に帰国し日本からリモートで中国チームと仕事をしています。また日本でもクリエイティブチームを組んでいまして、業務とジャンルごとにクリエイターさんたちにご協力をいただき、日々業務を行なっています。

そんな中、リモートで僕の身に起こったことを今日はシェアできればと思います。

僕自身、リモートワークは向いていない方だと自認していまして、会社員時代から作業は会社かカフェなどで行っていました。自宅に帰ってからも作業がある場合は、深夜のファミレスに出向きPCをカタカタしたり、本を読んだりする生活だったため、家での作業だと怠けが出てしまいます。そんな自宅作業不向きの人間が、現在都内から北京のメンバー+日本各地のメンバーと仕事をしています。そんなリモートワークの日々の中で僕が感じ、そして悩んでいる面を書こうと思います。

1、物理的距離は心の距離に比例する
2、メンタルを病む
3、対策方法
4、最後に


1、物理的距離は心の距離に比例する

帰国してフルリモートになると、いろいろなことが起こります。これは中国で起業された先輩方も経験済みなので、僕だけではないということでご紹介します。

■疑心暗鬼になる

対面で会うことがなくなると、コミュニケーションがおろそかになります。実際にちゃんと働いているのだろうか、自分だけは必死なのに、メンバーは必死に働いてくれているのだろうか?など、どんどん疑心暗鬼になっていきます。すでに大企業などで組織が出来上がっている場合や、駐在などで既に前任者たちが作ったシステムルーティーンなどの管理者として赴任する場合はこの限りではないかもしれませんが、僕らは起業して日にちも浅い、そして日本人、中国人の国際チームです。

創業者メンバー以外は僕もそこまで深い中になる前に帰国しているので、信頼関係もきちんと出来上がっていません。

日本にいるために現地での実務の大部分を任せることになります。会社は乗っ取られないだろうか、銀行のお金は勝手に引き出されないだろうか、毎日みんなちゃんと仕事をしているのだろうか、頼んだ仕事は遅れてないだろうか。杞憂であることから、小さな些末なことまでが不安になってきます。そして帰国当初は日本でも隔離があります。部屋から約2週間外出せずにいると、メンタルが病んできます。メンバーを信頼できずどんどんマイナス思考になってきて、自分だけが社会とのつながりを持っていないように感じてくるのです。そして僕は自分の今までのキャリアまで後悔しはじめました。

■言葉の壁とビジネス習慣の壁

リモートでお互いネイティブではない言葉で話すと、やはり伝わっていないことが多々あり、さらには誤解も生じます。僕と共同創業者の中国人は日本語・中国語でコミュニケーション、その他の打ち合わせは中国語がメインです。僕は毎回日本からオンラインということもあり、また僕の中国語のレベルの低さもあり、度々会話で迷子になります。その都度意味を確認するようにもしていますが、外部の方とのミーティングでは打ち合わせの流れが止まるので、そのままスルーすることがあり、そのうち自分が理解できていない流れになっていることもたまにあります。もっと中国語を勉強するべきだなと痛感するのはもちろんなのですが、このようなことによって、本来の意味とは違った内容で僕が理解していること、そしてメンバーが僕の意図と違う理解をしていることがあり問題発生につながります。


そしてビジネス習慣の壁にもぶち当たります。外国人のやっている外資の会社ということで中国での運営能力を疑われます。また外国人の経営する外資の会社なので、行政とのやりとりで相手方が不慣れだったり、知識がないことが多く、たらい回しになれたり、判断が担当者によって全く違うということもあります。

同じ説明をいろいろな人にした挙句、結局判断ができないからと違う部署の担当者を紹介され、またその担当者もわからないといい連絡がつかなくなる、のようなことは日常的に起こります。

日本だと当たり前のことが当たり前に進まないということは、本当にストレスです。そして通常業務の時間を奪われて、結果睡眠時間を削ったりという結果に陥ります。


2、メンタルを病む

以上のこともあり、帰国して20日ほど経ったある日の朝、目が覚めても全く体を起こすことができなくなりました。何も空く気力がなく、そのままベッドで夕方まで過ごしました。食欲が全くなく、外出する気力もありません。

僕は元々ストレス耐性がすごく強いわけではなかったのですが、これは初めての経験でした。自分の人生は間違いだった、とまで思うようになっていました。

幸い2〜3日後には少しづつ元気になり、外出できるようになったのですが、自分が気付かぬうちにストレスにやられていたのだと思います。

また仕事以外のプライベートでも、お付き合いしていた方(日本人)と中国滞在中にお別れをすることになったり、母親が病気になり手術をすることになったりと、さまざまな要因が重なって相当のストレスだったようです。


3、対策方法

僕がどのように復活したかをご紹介します。向き不向きや個人によって方法は違うと思いますが、参考になれば幸いです。

■メンバーとは必ず毎日話をする

メンバーとは毎日必ず話をするようにします。仕事とは関係のない日常会話をされても、話を聞いたり仕事以外の話もきちんとするようにします。人間は自分に興味を持ってもらえると嬉しいものです。「週末何してた?」「あのお店は美味しかった?」などの日常会話を普段以上にメンバーとのコミュニケーションを意識しています。これはメンバーとの関係値の構築という意味でも重要であり、また自分自身のメンタルの安定のためでもあります。コミュニケーションが取れていることで、自分も安心感が得られるのです。


■友人に相談

まずは自分の弱さを認めました。自分は特別強くもない。優れてもいない。だからこそ困ったら友人に相談しようと思いました。

そこでメンタル不調を友人に相談したところ、普段の僕からは想像ができなかったのか、友人たちはあまり大ごとに捉えてはくれず(同情して欲しかったわけではないのですが)、「頑張るしかないでしょ」という反応しかありませんでした。正直もう少し話を聞いてくれ!と思いましたが、みなさんそれぞれの事情があります。仕方がないことです。話を聞いてくれただけでOKとします。

おそらく普段明るい人でも、意外と無理してるってことがあるんだろうなと自分がこの状況に陥ってはじめて思うようになりました。

ぜひ皆さんは周りの方が普段と違う様子で相談してきた際は、話だけでも聞いてあげて大変だったねと言ってあげてください。それだけでも違うと思います。

僕は相談できる友人に片っ端からネガティブな話をしまくって話を聞いてもらったら少しスッキリしました。そして自分には相談できる友人がいるんだなと思うことで孤独ではないという実感を得れました。これは大きかったと思います。


■昼間出かける

家にいると人間はダメになります。特に僕のような普段外出するのが好きだったり、家で集中できない人は積極的に外出しましょう。それも昼間に。太陽を浴びるとセロトニンが出ると言いますし、昼間に外出し歩くことで気分が変わります。電車に乗って行ってみたかったお店にランチに行ったり、降りたことがない駅で降りて、次の駅まで歩くのもいいでしょう。

僕ははじめての場所の良さげなカフェまで行き仕事をしたり、打ち合わせ後にわざわざ歩いてターミナル駅まで戻ったりしていました。それだけで気持ちが少し楽になります。


運動する

先ほどの昼間出かけるに近いのですが、人は体を動かすと気持ちも良くなります。心と体はよく対比のように使われますが、実際は連動していると実感します。運動をした後は、自己肯定感も非常に強く、達成感もあります。集中力も出てきますし、ご飯も美味しいです。

僕は格闘技を趣味でやっていたのですが、中国に行ってからは運動の習慣がすっかりなくなっていました。そこで、週一ないしは二週に1回程度はいつのもジムに行き、トレーナーさんとスパーリングをしたり、ミット打ちをすることでかなりストレス解消になりました。またジムに行けない日は、可能な限り公園で軽くシャドーをするなどして体を動かすだけで気分が変わります。


友人たちと食事する

外出し友人たちと食事をすることで、気が紛れました。経営者同士やすでに上場している企業の創業者の方の話を聞くと、皆さん苦労されていて死闘を生き抜いて今があるんだなと励まされます。この飲み会以降、僕の気持ちは一気に前向きになりました。

人はずっと1人でいるとマイナス思考になりがちになります。同じ悩みを持つ人と話をすることで自分だけじゃないんだと思うことができることと、社会とのつながりを感じることができます。そして何より成功している方の失敗談は励みになり、自分の状況は大したことがないと感じ、もっと頑張れる!と前向きになります。


4、最後に

みなさんすでにご存知のように、メンタルマネジメントは非常に大切です。意外と健康管理はするものの、メンタルを意識して管理していない方は多いのではないでしょうか。体とメンタルは表裏一体です。心身の健康がビジネスの成功の第一原則であると勉強になりました。

皆さんも1人で悩まずに、外出して友人と会って発散したり、運動したりする時間を設けてみてください。こんな状況ではありますが、できることを自分で選択することで、より良い日常生活を手に入れてみてはいかがでしょうか?


それでは再见!


日本と中国をエンタメで繋ぐのが目標です。青島ビールを毎週末飲んでいます。サポートいただいた場合は、美味しい青島ビールの購入費用にさせていただきます。