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香港MBA生活②MBAは必要ないかもしれない

こんにちは、Chineeland秦です。
まず前提として、ここで書かれているのは個人的見解です。全ての人に当てはまらないことをご承知の上読み進めていただければと思います。


はじめに


MBAは意味があるのか?

これはMBAを志す上で、誰もが必ず考えることだと思うし、僕自身MBAに行く前、行ってる最中、行った後と幾度となく考えていることである。

結論からすると、僕にとっては非常に意味のあるものだったし、行って良かったと思っている。キャリアの面でも、人生の幅が広がるという面でも。ただすべての人にMBAは意味があるとは限らないと思う。

今年は特にコロナ禍で働き方も変わり、オンラインでのミーティングや授業も一般的になった。海外の現地に行ってやる授業と在宅オンラインの授業は、僕は全く違うと思う。ここについては今回は詳しくは触れない。


MBAは、主に2つのものに影響を与えると思う。一つはキャリア、もう一つは生き方そのものである。

今回は、誰もがまずMBA後に意識するキャリアというものを中心に考えてみたい。

僕が思うに、MBAを志す日本のビジネスマンには4パターンあると思う。

1、会社員として組織に属している人で今後も属し続けていこうと思っている人
2、外資へキャリアチェンジしたい人
3、自分自身で独立してやっていこうという人(日本国内、海外問わず)
4、海外で就職したい人

この4つが主に考えられると思う。上記のどこに分類されるかによって、MBAの意味がより効果的なものになるかどうかが分かれると思う。

順を追って説明していく。


日本人ビジネスマンの4パターン


1、会社員として組織に属している人で今後も属し続けていこうと思っている人

結論からすると、キャリアという面ではこの1番に該当する人にとっては、MBAはあまり意味がないと思う。基本的には、日系企業でMBAを生かせるポジションに卒業後就ける人は少ない。いや、日系企業にMBAを生かそうとする意識があまりないと言った方がいいかもしれない。

例えば、これはあくまで社費で留学した友人たちの話をまとめて書いているもので、僕自身の実体験ではないのだが、社費留学であれ、日本に戻れば同じような業務が待っているようである。会社としても留学したんだから今まで以上に働けと思っているのであろう、ガンガン通常業務が与えられる。今でも社費留学を行っているようなところは基本的には、大企業であり、さらには年功序列で、おじさんたちの天国である。顔色を伺い、根回しをして社内政治を考慮に入れないといけないし、いきなり昇給も昇進もしない場合がほとんどのようである。

帰国して半年、そして1年が経ち、MBAで一緒だった同級生達の外資で働いていたり、海外に残って就職したり、1年でもう転職し、給料120%UP!みたいな話を見聞きするうちに、閉塞感を感じ外資に転職、という流れが多いような気がする。もちろん他の理由もあるかもしれないが。

会社員としてMBAに行った人は(特に社費)、基本的にはこれに該当する人が多いようである。またGAFAなど大手外資は基本的にはMBAへの留学制度などはないようだ。彼らは逆に留学してきた人を採用している。その方がコストパフォーマンスがいいと思っているのであろう。

なので、会社員として転職せずにそのまま同じ会社や同じような日系企業で働こうとしている人にとっては、あまりメリットはないと個人的には思う。ただ社費で行けるのであれば、いいのかもしれない。いや行ったほうがいい。キャリアにとってプラスにならなくとも、人生は豊かになる。間違いない。


2、外資へキャリアチェンジしたい人

外資へキャリアチェンジしたい人にとっては、MBAは選択肢としては悪くない。
MBA卒業後は、年齢や経験にもよるが、転職前と同業界の外資、もしくは近しい業界で経験を生かせるポジションであれば、1000万円以上のオファーはもらえると思う。

その場合キャリアチェンジは非常に有効だと思う。特に海外経験がない準ドメスティックな人間にとっては、海外経験を積め可能性を広げるのには意味があり、外国人との会議や英語への苦手意識はだいぶ薄れるはずだ。

実際に卒業後、外資へキャリアチェンジをした人は非常に多い。特にコンサルや金融で外資に行く人は非常に多いし、ほかにもマーケティングポジションで海外動画配信サービスや外資エレクトロニクス系、製薬系の外資、アパレル系の外資などは結構いる。


3、自分自身で起業してやっていこうという人(日本国内、海外問わず)

起業を試みるのであれば、MBAは有効だと思う。会社をまわす基本的な知識は一通り学べるし、自分の強化したい分野の授業を取れば、さらに深く知識を身につけることもできる。
起業をした場合、MBAで学んだことはダイレクトに日常で必要なことの知識だったりする。実際に当時MBAの授業で学んだ知識が生きていると感じる局面は、思った以上にある。起業目的の人にとっては、そして特にファイナンスやアカウンティング、マーケティングなどの知識や経験のない人にとっては有意義なものになるだろう。

でも知識だったら日本でも学べるし、日本人なので日本語で学んだ方が身につくはずだ。では、それでも海外でMBAに行くメリットとしては何なのだろうか。

僕はネットワークであると言えると思う。

海外MBAは世界中から生徒が集まってくる。日本はまだまだ豊かな国なので、僕のような中流が無理してMBA留学を志すが、海外においては皆裕福な家庭の生徒が多い。

同じような金額の学費を払う場合、例えば日本とインドの生徒ではインドの方が貨幣価値としての学費はより高額なものになる。そんなエリートが集まるMBAでの切磋琢磨した日々は、その後のネットワークとして生きてくる。学校によっては卒業後も独自のSNSを持っていたりして(LinkedIn の学校専門のようなもの)卒業生同士、年次が違ってもアプローチができるし、求人情報などもそこで手に入ったりする。

このネットワークで実際に、同級生の友人を紹介してもらって仕事の話につながったことが何度もあった。このように起業する場合、特に海外とのやりとりを行うような仕事の場合は、このMBAネットワークは非常に強力なものになると思う。それは海外の現地での起業においても、言わずもがなで、友人達や卒業生のネットワークだったり、あとは現地のMBAを出ているというと、皆一応に興味を持ってくれる。共通の知り合いがいる場合もあるだろう。そう言った繋がりは非常にプラスになって生きてくる。現地起業や日本で起業したとしても、海外とのやり取りやクライアントが海外にいる場合など、紹介してもらえたりすることもあるだろう。


4、海外で就職したい人

いきなりで恐縮だが、海外で日本人が現地の企業に就職するのは非常にハードルが高いと言わざるを得ない。まず、MBAの留学先のエリア以外での就職は非常に困難だ。例えばアメリカに留学して、ロンドンの企業に就職とか、シンガポールに留学して中国の会社に就職など。

海外就職をしたい場合は、働きたいエリアの学校に必ずいくべきだと思う。

そしてその場合でも、日本人が現地企業に就職するのは非常に狭き門である。これをクリアできるのは、本当に言語の面で不自由なく、そして本当にその業界のエキスパートのみだと思う。日本人である意味合いある職種でない限り、現地の優秀な人材と競争して勝つのは非常に困難である。企業側に立って考えても、日本人を無理して採用する意味がない。そして今後の日本人の海外採用は正直厳しいと言わざるを得ないと思う。

現地企業からするとGDPが下がり続けて、存在感がなくなっている日本人を無理して採用する必要はない。日本とのやりとりがないなら余計である。現地の言葉を話せ、さらに英語も話せる、場合によってはビザも必要のない人材が、採用する上でベストではないかと思う。

そう考えるとMBAに行っても現地企業への就職は狭き門であると言える。

だが、現地で就職した日本人同級生がいないわけではない。彼らは日系企業の現地採用で就職している。日系企業で現地にブランチがあれば、採用してもらえる可能性はあると思う。それが現地で日本人が就職する、一番可能性の高い方法だろう。


終わりに

ざっくりと日本人のMBA生の状況を4パターンに分けてみてきたが、まとめると、

1、サラリーマンで行くならMBAは不要
2、外資にキャリアアップしたい場合は、MBAはメリットあり
3、自分で起業する場合、特に海外とのやりとりがある場合はMBAネットワークが生きる
4、海外就職を目指す場合は、就職したい地域のMBAに行くべき。それでも狭き門。現地日系企業での就職の可能性はあり

上記はあくまでキャリアという側面においての私的な判断である。
もちろん、人によって状況は違う。キャリア以外でも世界の様々な文化に触れられ、外国人達と寝る間を惜しんで同じ目標に向けて切磋琢磨する経験は、非常に人生を豊かにするし、その後の人生においてもプラスになると思う。人生は確実に豊かになり、見識も広がる。世界の情報を生で仕入れることができるだろうし、旅行に行けば現地で晩ご飯を奢ってくれ、観光ガイドをしてくれる友人がいる。場合によっては家に泊まって行けと言ってくれるだろう。その友人とビジネスを始めることもできるかもしれないし、友人をクライアントとして紹介してくれるかもしれない。


留学は人生を変えるかもしれない。
MBAは人生を変えるかもしれない。



もしそう信じれる人は、どんな状況であっても自分を信じて挑戦してみてほしい。後悔はしないはずだ。

MBA留学をして後悔している、という話を僕は聞いたことはない。もちろんいない、とは言い切れない。しかしほとんどの人は何らかの形でMBAでの経験をプラスに消化できているのだと思う。

最後は自分の決断次第。

もし迷っている場合は、真剣に考えてみてはいかがだろうか。

現在はコロナ禍なのでわからないが、各学校でキャンパスビジットや卒業生との交流会などを行っている。興味がある場合はぜひ調べて参加してみたらいいと思う。実際に見て感じるものは違うはずだ。




次回はMBAでの生活や同級生に関しても、紹介していこうと思う。


それでは再见!Chineeland秦でした。

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