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広島の雀ゴロセット

(前置き)
私は麻雀をする際、お金を賭けない
法律を遵守しているからだ。

内容は全てフィクションである。


広島の雀ゴログループ

広島には
ヨンマ東風が打てるセットグループがある。
その名は「健康麻雀の会」である。

ここでは東京みたいなイカれた高レートは立たない。
しかしメンバー全員、鉄強である。


まず、昭和生まれのベテラン勢は普通に強い

彼らは常識の数マイル先を生きている。
一見「アナログ」と揶揄したくなるターツ落としも
多いが、全てが噛み合っている。
よくいるサンマ雀荘の剛腕ジジイとは訳が違う。

LINEで、単純なポンorスルーを聞いただけで
「手牌構想」「手牌価値」などの観点から
500字近い解答が返ってくる。


一方、平成生まれの若者も曲者が多い

可愛いパーカーを着て、1人称が「俺っち」の
医学部生は大手雀荘の本走1番手

朝昼晩と「バーガーキング」しか食べない大学生は
広島の5等セットで年間100万円を稼ぐ強者だ。
この「バーキン男」は来年、
水道橋の「endorphin」に就職するとのこと。

このセットでは俺だけがカモである。
毎回たくさんのお金を下ろして参加せねばならない。


2023/06/17(土)  曇り時々晴れ



①「新大阪駅における葛藤」

この日は広島でJewelセット(ハーフ)が立つ。

Jewel東風のルールは以下を参考↓


俺は週末には
大阪に新しく購入したマンションで
日本語の勉強をするのを愉しみにしている。

しかし
この日は週末にもかかわらず、妙にイラついていた。
俺のいない広島で
楽しいJewelが立つのが不愉快だったのだ。

仕事が終わり
新大阪駅のカフェで小1時間考えていた。

「見学のためだけに往復20,000円かぁ...」

葛藤を抱えたカフェ「Drip-X-Cafe JR新大阪駅店」



②「乗ってしまった新幹線」

俺はだめな男だ。
かわいい奥さんを怒らせてしまった。

頭を冷やそうとカフェから出た数分後
俺は「のぞみ83号広島行」でタバコを蒸していた。

ちなみに奥さんから麻雀関連で怒られたのは
これが初めてである。

打たないのに頭おかしいんじゃないの

家計を共にするパートナーとして
真っ当なご意見である。

¥19,780



③この日の愉快なメンバーたち

奥さんには「お寿司かお肉ごちそうしてあげる」と
適当にLINEを返すことで、許しを賜り
無事、お店に到着することができた。


店には入ってすぐ
Hさんの口癖「ジョンです」と
Aさんの口癖「最強!」が聞こえてきたので
迷わず席にたどり着けた。

1.「H」さん
2.「オーラス」さん
3.「A」さん
4.「熊」ちゃん
5.「人生下振れ」くん

俺は外野として
「トイレ代走」「記録係」「ジュースパシリ」
「肩もみ」「Hさんのタバコの火付け」などをした。

1.「H」さん

この人は所謂「雀荘のにぃちゃん」だ。
豊富な経験による「引き出し」の数が半端ない。
誰もがその強さを認めている。

彼の魅力は何よりも「煽りの数」である。

普通の人はツモ上がり時に騒ぐ
ロン上がりでは騒がない。放銃者がいるからだ。

しかし彼は根本的にドSなので
ロン上がりでこそ本領を発揮する。

彼は「ロン」の際、必ず「John」という。
どれだけ滑っても眉ひとつ動かさない。

また、例えば裏ドラ4枚だとこうである。
「リーチ3色、ラー↑ラー↓ラー↑ラー↓

ただでさえ辛い放銃者はたまったもんじゃない。
俺も何度も言われてるが、毎回ムカつく。


2.「オーラス」さん

この人は「オーラスの向こう側」という名前で
Twitterをやっている。
たまーに「イイね」をくれるが顔は知らなかった。

「この人は麻雀が弱い」と確信していた。
「オーラスの向こう側」という名前からは
オカルトの匂いしかしなかったからだ。

ある日のフリー帰り。
俺は、いつものように
「広島スリーランド +10k」などとTweet。

するとなんと...「オーラスさん」から
同卓ありがとうございました」とコメントが来た。

メンツーだったので下家の鉄強客に他ならない。
俺はすき家で震えた。
黒いパーカー男が殺人鬼でも何も思わない。
こたつの婆ちゃんテロリストだと恐ろしいものだ。

この前、そんな彼は
タバコを燻らせながら、こう仰った。

新・科学を読んだけど俺には必要なかった。
今の若い子の勉強法を知りたくて読んだだけ。」

どこまでもかっこよすぎて濡れた


3.「A」さん

彼と出会ったのは3年前くらいのマーチャオだ。 
半ズボンがとても似合う、爽やかな兄さんだ。

3Aルールのサンマを打っていた時
俺がトップ目で迷わずリーチをかけてツモ上がり。

対面の彼が、丁重なトーンで聞いてきた。
「こういう確定役のリーチって迷う人多いと
思うんです...リーチ基準とか教えて頂けますか?

俺は調子に乗り
2人とも押せない点数状況で1人旅だから...」と
語ろうとして、ふと顔を上げた。

対面には背筋を伸ばした「A」さんがいた。

今にもメモをとりそうな真剣な顔
そして、少年のようにピュアな瞳
俺のことを見つめていた。

半ズボン」に「少年の瞳」.......

無垢な象徴のような方に見つめられ
俺は動揺した。言葉が出てこなかった。

ァ、ァ、ノリですね」とポンコツな返答をした。
周りにはスタッフも数名いた。
自分の言動がとても恥ずかしくて
しばらくマーチャオには行けなかった。


4.「熊」ちゃん

俺とは熊ちゃんは
流川でひっそりやっている東風フリーで知り合った。

熊ちゃんはソフトな雰囲気の「イイやつ」だ。
先日、着順記録を付けてても
「ありがとうなぁ」と言ってくる出来た男だ。

ただ熊ちゃんにはギャップがある。

看板の出ている雀荘には滅多に顔を出さない。
主に5.0のサンマを主戦場にしているヤバい奴だ。

麻雀は教科書的で変わった選択がほとんどない
メンタルは強く感情が一切でないタイプ。
これらは悪い意味ではなく、
長期的に安定するフリー強者タイプだということ。
同卓していると
BUCKSの「雀ゴロK」さん的な鋭さを感じる。

セットやフリーの後はよく麻雀の話になるが
共通する戦術が多くて
「互いに得るものなし」となる。
そのため、彼との麻雀談義はいつも蛍の命だ。

ちなみに彼の「くまくまタイム」は本当にエグい。
この前も30分で計36枚オールとかしてて
吐き気を催した。
どこかのクソ雑魚「直樹」の比ではない。

クールな彼もこの時だけは感情が表に出る。
よく観察すればわかるのだが
ツモォ〜♩」の発声とともに
お尻が椅子からぴょんと跳ねる。本当に可愛い。


5.「人生下振れ」くん

下振れくんは大学生っぽい若々しさがある。
所作も、麻雀初めて長くなさそうな
どことない初々しさがある。

最初あった時
この猛者セットで大丈夫かと心配していた。

だが恐ろしいことに彼は
歌舞伎町の元東風メンバーだった。
天鳳も9段か10段か忘れたけどガチ勢だと判明。

彼は副露率がバグっている。
平均45%の世界線を生きている男だ。
ポンチーポンチー本当にうるさい。

そして彼は時間帯によって副露率が変わる
ナーガ🐍もLuckyJもビックリの戦術だ。

対局早々はまだマシ。
3時を回り眠たくなると副露率が50%に迫る。
6時を回りさらに眠たくなると立直志向になる。

また同卓者から煽りを喰らう
副露率が大幅に上がり50%をやや超える。

俺は下振れくんの戦い方を
後ろ見でしっかり研究したのだから間違いない。

これからはしっかりと煽り倒してアツくさせ
牌をガチガチに絞ってやろうと考えている。

おまけ「雀荘のやばいメンバー」

このセット精算時
サイドテーブルのスコアシートが消えていた
毎東風つけていたのだから数分前にはあったはずだ。

明らかにメンバーが通った形跡があったので
持って行っていないかをしつこく聞いた。

結局
おじさんメンバーがレジに持って行っていた
そしてレジ横のゴミ箱に豪快に捨てていた

セット客のスコアシートをちぎって持って行くなんて
正気の沙汰ではない。


俺は
気の利かないおじさんメンバーが嫌いだ。

半年前、マーチャオのおじさんメンバーに
18000放銃して、2着順落ちとびラス喰らった時

ツモってれば倍満だったよハハハ
と煽られたことを思い出す。

次回はこの強烈な出来事について
5000字の記事を書こうと思う。
ぜひ読んでほしい。

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