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勝手にするなら、どうしたい?─『Run 4 ???』感想文
冬優子ちゃんがやりたいこと、やってきて!
あんたのことも、あんたのファンのことも考えてやらない
…ふゆが勝つためだけに来たの
─…あははっ
じゃあ、勝負っすね!
(─ああ、来てる、やばい、速いっ…!)
(でも─!)
(今日は絶対、負かす─!)
⚠️CAUTION!!!⚠️
以下の文章ではストレイライトシナリオ『Run 4 ???』及びサポートアイドル【Wrong?】黛冬優子のコミュについて取り扱います。これらをご一読の上お付き合いくだされば幸いです。Are you ready?
改めましてぱーるです。約半年ぶりのイベントシナリオ感想文は、戦い続けることがアイデンティティ、ストレイライトのシナリオ『Run 4 ???』についてです。此度は誰が、何と、戦うんでしょうか?では早速内容を見ていきたいと思います。
オープニング make a mistake
あさひの教育方針に悩むストレイファミリー
「…ごめん!冬優子ちゃん!」
黛冬優子は覚悟した。ああ、こいつら今度は何をやらかしたっての―
アイドル対抗大運動会でした。ディレクターの勢いとあさひのワクワクで半ば強引に決まった次の仕事。それ自体はいい話、としながらスケジュールも確認せずに仕事を引き受けることに対して冬優子があさひをたしなめます。
なにはともあれ出場も決定、後日種目とチーム分けも分かりました。あさひが白組、冬優子と愛依が赤組へと分かれることとなりました。
あさひは出ること自体だけでなく、冬優子と愛依2人と戦えることを楽しみにしているのです。しかし冬優子はそれぞれが目立てるかや、種目への向き不向きなどの考慮を理由にあさひが楽しみにしているストレイ対決へ待ったをかけます。
楽しみにケチをつけられたあさひは機嫌を損ねてしまいます。結果出場種目について考える機会を逸してしまいます。
さてさて今回のストレイライトはどうなるのでしょうか。
第1話 UNMATCH
冬優子の一人反省会たすかる
それぞれが目立てるように、ストレイライトが輝けるように、冬優子はあさひの機嫌を伺いながら話し合いしようと何度も試みますが…
全滅。和解ならず。愛依に愚痴り倒してしまうくらい上手くいきません。中でも最も冬優子の神経を逆撫でしたと思われるのが…
これでしょう。冬優子からすれば各メンバーやストレイライトのことを考えて話し合おうって言ってるのに「それは冬優子ちゃんのやりたいこと」だと一刀両断されれば腹も立つでしょう。
UNMATCH:調和しない、戦わない
あさひと冬優子が噛み合わないこととストレイ同士で戦わないという現状のダブルミーニングタイトルなんですね。
第2話 for
愛依のこと好きすぎでしょ
赤組の種目決め。赤組のリーダーは脳筋気味で少し不安らしい。それはともかくここでは競技適正についてや運動会参加の意義について考える冬優子や、実際に出場競技を決めてのける頼れる冬優子、そしてストレイライトを想う冬優子などが堪能できます。
ここなんか最高です。愛依に合う競技として提案しながらあさひの望む「ストレイライト同士の勝負」も叶えてあげようとしてるとこ。ほんっと冬優子そういうとこ…
さて、話の後半では今回のシナリオにおける重要なテーマが提示されます。
「任せきりにしてしまうんじゃなくて」「冬優子に何をしてやりたい」これらは言い換えれば愛依がストレイライトのためにできることは何かという問いです。もし今「よくないんじゃないか」と思っているのならそれを解消するためにできることはないか考えてみようとシャニPは問うているのです。
ここで重要なことは愛依自身がストレイライトのために何かをしたいという意思を表示しているということなんです。ストレイライトについて考えるのは冬優子のリーダーとしての役割です。愛依はそれを「任せっぱ」と感じていました。なのでその気持ちを汲んでシャニPは「冬優子に何をしてやりたい?」と訊いたのです。
そしてなぜ愛依のストレイライトのために何かをしたいという気持ちが重要なのかというと、それは今まで自分で精一杯だった愛依がアイドルとして確立してきたことの表れだからです。
『The Straylight』ではどっちの自分も本物だという決意、LPではアイドルとしての信念、これらを手に入れた愛依はアイドルとしても人間としてもとても成長したと言えるでしょう。ここで自分のことだけでなくストレイライトについて考えようとしているのは愛依の成長の証なのです。
あと『Run 4 ???』の「4」についての情報が出てきましたね。
さらにこの話のタイトルが「for」なので4=forと読むので間違いなさそうです。『Run 4 ???』のタイトルについてはまたあとで触れようと思いますので第2話にして少し長くなってますがもうしばらくお付き合いくださいませ。
第3話 IF
冬優子の舌打ちたすかる
愛依の見せ場その①
白組・赤組それぞれの練習風景。白組ではあさひがむくれたりしてましたが事件が起きたのは赤組の方。赤組メンバーの1人が練習はもういいんじゃないかと言い出し、リーダーにつっかかります。
その物言いも、態度も、意識も、到底看過できるものではなく冬優子が出ていきます。素直に冬優子かっこいいなぁ…って思いました。しかしながら主役は遅れて登場するモンなんですね。かっこいいのは冬優子だけではありません。
というわけでここは愛依が自分で考えて冬優子の力になったシーンなわけです。単に援護射撃して場を収めた、というだけのシーンではありません。ここでの愛依の思考チャートをまとめると…
赤組メンバー1の話は「冬優子の考えとは似て非なるもの」だ
↓
それはストレイライトとしては違うと思うことだ
↓
それをはっきり伝えよう
こうですね。冬優子に加勢した、だけでは半分です。愛依はストレイライトを守るために、相容れない発言に対して、自分で考えて「違う」と言ってのけたのです。だから愛依は冬優子の「助かった」に対して「言えてたんならよかった」と返したのです。助けたというより言いたいことを言った的な。第2話で触れた愛依の成長をすぐさま実感できましたね。愛依の「信念」も出てきましたしね!
第4話 soliloquy
soliloquy:独り言、独白
口に出てたかは分かりませんがすかさずシャニPは「大丈夫か」と声をかけます。それに冬優子は「大丈夫じゃないって言ったら~…」「もし嫌いだったら~…」のような質問で返します。このくだりはシャニPの仕事への姿勢を確かめたかったのでしょう。なぜなら冬優子はあさひや赤組での一件で自分の仕事への信条を疑ってしまったから。
相変わらず冬優子のシャニPへの絶対的な信頼を感じますね。こうやってシャニPには弱いところも見せられるからストレイライトでいるときや、他のアイドルと相対するときは強い「ふゆ/冬優子」でいられるのでしょう。でもそんな冬優子だからこそ愛依は「任せっぱ」にしないで自分でも守れるようになりたいと思ったんでしょうね。
そしてここではもう1つこの後の展開に関わる内容が出てきます。
あさひだけじゃなく冬優子や愛依のファンも満足させる。アイドルとして仕事を全うする。冬優子の信条は素晴らしいです。しかし今それに自信が持てない。パワーが足りない。きっと仕事をちゃんとやらなきゃという思いが、「ストレイライト」が輝かなきゃという思いが重しになってるんだとシャニPが気付き「自分中心」という言葉を冬優子に送ります。ご存じかとは思いますがこれがキーワードなので着目して後半を見ていきましょう。
第5話 ××LUCKY
なんやかんやでアイドル対抗大運動会開幕!
いい塩梅でだれることなく進む運動会。しかしここでトラブル一件。冬優子と愛依が話していると…
白組のあさひがなぜかここに。スタッフが探していたぬいぐるみを見つけるため「宝探し」してるそうな。無断で出てきてるらしく迅速に事を収めるため冬優子と愛依も「宝探し」に加わります。
あてもなく探していると迫ってくるのは次の競技の待機時間。そろそろあさひを強制送還というところで…
ぬいぐるみも落とし主も見つかります。一件落着。めでたしめでたし…だけでなくこの女の子のお父さん、どうやらディレクターに顔の利くお偉いさんだったようで。棚からぼたもち。まさに「宝」を見つけてしまったというお話でした。
一応タイトルについて。「××LUCKY」はおそらく
UNLUCKY → ××LUCKY
でしょう。「あさひに振り回されて最悪~」から「お偉いさんに恩を売っちゃった」という禍を転じて福と為すみたいな表現なんでしょう。ここからは少し深読み。「××」で塗りつぶされた「UN」ですがもう1つ「UN」という接頭語がつくタイトルがありましたね?
第1話 UNMATCH
この言葉も同様に「××」で塗りつぶせば…
UNMATCH → ××MATCH
MATCH:調和する、戦う
もうお分かりですね?
第6話 run selfishly
勝ったのは─!
愛依の見せ場その②&今シナリオの集大成
「うちの代わりにリレーのアンカー走んの、どう?」
勝手にしようかしらという冬優子のつぶやきにそれだ!と提案する愛依。しかしそれは最善手ではない、仕事を全うしてない─そう考える冬優子は断ろうとします。ただ愛依も退きません。
冬優子がストレイライトのことを考えているように愛依もまたストレイライトのことを考えて冬優子に「勝手にする」よう背中を押します。自分の見せ場は自分で作るから、と。これこそがもう愛依の見せ場なんですけどね。そしてこのシーンは今イベントの集大成。
愛依がストレイライトのことを考えて
それが冬優子に足りないパワーとなって
冬優子が「自分中心」に勝手して
そしてストレイライト対決のゴングが鳴る─
舞台は整いました。
白組リードで赤組の走者は愛依へ。愛依は白組を抜き去りバトンはアンカーの冬優子に。赤組アンカー冬優子逃げる。白組アンカーあさひ追う。さぁ「ストレイライト対決」の結末は─
冬優子そして赤組の勝利!
マジで激熱!これぞストレイライト!勝手にするならどうしたいって?そりゃあ「勝ちたい!」に決まってるでしょ!たまには素直な感想で締めたいと思いますがほんっとに…最高でしたね!!!
…というわけでここからは勝者の勝手、敗者への命令のお時間です。え?聞いてないって?そりゃあ勝手ですから。今あさひに下される命令とは!?
「宝探し」のときみたいに単独行動するときは誰かに言ってからにしろ。とのこと。誰もがあさひに慣れてるわけじゃないから。そうストレイライト以外は。味方しやすいようにちゃんとしてくれ、と。これにあさひは…
笑顔で承諾しました。「白組は話を聞いてくれなかった」とあさひは言います。練習でもそうでしたが奔放なあさひを持て余していたのでしょう。あさひに慣れてないから。「味方しやすいように」と、ちゃんとあさひと向き合って注意する冬優子の言葉に、ストレイライトという居場所を改めて感じたのでしょう。こうしてあさひの教育にも上手くいったストレイファミリーなのでした。
エンディング AS USUAL
冬優子のジト目たすかる
というわけで後日談。運動会のオンエアの日のようです。この日も忙しい順調なストレイライト。注目したいのはここ。
撮影でのあさひへの所感を話そうとするところ。シナリオで描いてきたストレイライトのことを考えられるようになった愛依、その振り返りですね。自分だけでなく周りのことも見て考えられるようになったという愛依の成長の描写をエンディングにも入れてきています。
今度は撮影が終わって次の仕事へ移動中の車内。リレーの次は文化系のジャンルで勝負しようという話。歌?楽器?それとも…
冬優子の料理に自信あり描写すごくいい…。すき…。シャニPに弁当を作ってきたりしてくれ…
特別な手料理ふるまって正妻ポイント荒稼ぎしてくれ…
こんなふうにいつも競い合って、いつも高め合って、なんやかんや仲がいい。これがストレイライトの「いつも通り(AS USUAL)」
そうそう料理で思い出しました。「可愛い切磋琢磨」があるのなら「可愛い勝手」もあるんだそうで。
冬優子の一人会議の結果あさひを困らせるために行われた勝手。困るあさひは珍しいですがこれもまたストレイライトのいつも通り、でしょう。
『Run 4 ???』についての考察
ここからはおまけ。タイトルの意味的なものについて触れたいと思います。個人的には2つの意味を持っていると解釈しています。
①逃げる
「4=for」と読むことは第2話で言いました。「???」は代名詞的な扱いっぽいのでシンプルに「Run for it:急いで逃げる」という意味はありそうだと思います。どこを指してるかと言えば勿論リレーのシーン。
先行してる冬優子があさひから逃げ切るこの激熱シーンを表現しているのでしょう。シナリオでも盛り上がりどこなのでシナリオタイトルがここを切り取っているのは自然かと思います。
②~のために走る
こっちは「Run for」の直訳です。じゃあ「~のため」って何のため?それは「4」ってあるわけですから…
これです。「???」には冬優子、あさひ、愛依、ストレイライトの4つがそれぞれ入りうるってことです。時には自分のために。時にはメンバーのために。時にはストレイライトのために。そして「Run」ですけど…
思い返せば最初のシナリオのタイトルにもついてるんですよ。こっちの「run()」はプログラムの実行みたいな意味なんですけど今回は運動会だったので「Run」は走る、でした。ただ結果として同じ単語を用いているのはどちらの「Run」にもストレイライトが戦うという意味を持たせているのでないかなと考えます。すなわち『Run 4 ???』とは
冬優子のために、あさひのために、愛依のために、ストレイライトのために戦う
という意味ではないでしょうか。なんとなく上手くまとまった気がしませんか?
まとめ
お付き合いいただきありがとうございました。なんだか走り出したくなるような爽快なシナリオでした。というか運動不足なんで走った方がいい。でもまぁ今度でいいかな…。みなさまはこんな自堕落な人間にならないようお気を付けくださいませ。
ストレイシナリオは2本目の感想文となりました。前回の記事はこちら。
前回も今回も愛依の解像度が上がるシナリオだったように思います。しかしながら今回は最大の山場は冬優子が持ってたり、ストレイライト対決があったりと魅せ方は異なります。ただどちらもストレイライトというユニットの在り方みたいなところを描き出している点は変わりません。あとどっちも熱かったですね!ストレイシナリオはこうでなくっちゃ。
ほんとはもっとイベントシナリオの感想文を書いていきたいんですが消費カロリーがでかすぎて上手くいってません。これでまだ通算3本目ですからね。最近だと『アンカーボルトソング』とか『○○-ct. ─ノー・カラット』とかもよかったんだけどなぁ…。自分に負けちゃいました。今年のクリスマスも越境の重ためのシナリオが来るんなら挑戦してみたいです。そういえばクリスマスといえば…
こんなこともありましたね。冬優子メンバーからバトン受け取りがち。このときも思いましたけど走る冬優子かっこよくてすきだなぁ…。これからも駆け抜けてほしいものです。駆け抜けろ Timeless Shooting Star
オチもついたところでこの辺にしましょうか。ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!また次もお会いできたら幸いです。では!ノシ