当たり前と、感謝の心
先日の日本一時帰国の際に、改めて思ったこと。私がシンガポールから成田に飛んだシンガポール航空。まだ行きは良かった。30人〜40人が搭乗していたから。しかし、帰りの成田からシンガポールの便には、たったの7人程度しか、搭乗しなかったのである。あの、大きな飛行機1機に。
これまでは、海外旅行に行きたければ、自分に都合の良いスケジュールで飛んでいるフライトを、たくさんの選択肢から選び、さらにその中から一番安いものを選んだものだ。でも今回は、これまで1日に何便も飛んでいて選びたい放題だったフライトが、たったの2本の中からの選択。私は飛行機の機体によって違うシートにちょっとしたこだわりがあり、チケットを取るときには機体まで確認をする。そして、自分が飛びたい曜日と時間に、その機体が飛んでいるか?それが、成田便か?羽田便か?を調べ、諸々のスケジュールを考えて、今回のフライトをとるのにも一苦労だった。
でも、この私のフライト予約方法は、これまでの場合。今回は、飛んでもらえるだけでもありがたかった。羽田であろうと成田であろうと、たったこれだけの乗客のために飛ばしてもらえることが、ありがたかった。機体がなんであろうと、シンガポール航空であることが、ありがたかった。乗客より、クルーの人数の方が多いにもかかわらず、飛ばしてもらえることが、本当にありがたかった。
飛行機が飛ぶことは、当たり前ではないのだ。飛行機が安全に運行するのは、当たり前ではないのだ。格好いいパイロットが操縦していて、キレイにメイクをしてユニフォームを着ているCAさんだけが、飛行機を飛ばしているわけではないのだ。人は、表に見える華やかな部分しか目がいかないものだ。たった数名の人を日本に運ぶためには、チケットを手配する人、荷物の対応をする人、チェックインを担当する人、機内食を作っている人、機体の整備をする人、定刻に飛ばすためにグランドを担当する人、搭載された荷物を運び出してくれる人。
今回、たった1機の飛行機を飛ばすのに、たった7人程度の人を運ぶのに、一体何人の人が動いてくださったのだろう。飛行機が飛ぶのは、当たり前ではないのである。
弊社の各種NLP資格コースも同じである。表で目立っている講師だけが仕事をしているのではない。メール対応や顧客対応をする人がいて、請求書や領収書を発行する人がいて、テキストの印刷手配や発送する人がいて、課題をチェックする人がいて、ミスをフォローしてくれる人がいて、それを表に出すために修正してくれる人がいて。弊社の場合は、英語から日本語に翻訳した人がいて、テキストやロゴをデザインした人がいて、認定証のデザインや文言を調べて作成した人がいて。
誰にも感謝されないけれど、表立って目立たないけれど、それでも影で表に立つ人達を支えてくれている人がいる、ということ。今ある<当たり前>は、決して、当たり前ではないのだ。日常にありふれている<当たり前>は、<当たり前>でないということ。自分のためにやってもらって<当たり前>だと思って横柄な態度を取るのではなく、自分が快適に生きて行くために、表には出てこない、うっかりミスなど許されず完璧にするのが当たり前で、誰にも感謝されるわけでもない仕事を、見えないところでしてくれている人の存在に気付き、その人達に感謝できる人でありたいと、毎日思うのである。どなたかの参考になれば、幸いです。
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