質問箱045:着地点を見失わない話芸
※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。
【質問】
【解答】
いや、話してる内に「なんの話ししてたんだっけ?」となることは、たびたびありますよ。
ただ、過去に似たような質問に答えているので、何回かやってる滑らない話、みたいな側面はあります。
先代の三遊亭圓歌師匠の『中沢家の人々』という新作落語も、話が脱線して「どこまで話したっけ?」というフレーズを入れて、笑いを取りつつ本筋に戻る、なんてテクニックがありましたが。サンドウィッチマンの「ちょっと何言ってるのかわからないんですけど」とか、古くは松鶴家千代若・千代菊の「母ちゃん、もうかえろうよ」とか、そういう話芸の流れをぶった切ったり、リセットする技が、あります。
あと、作品作りがそもそも、
ネタが有って
→前ふりして
→疑問をもたせ
→誘導して
→着地する
という流れなので、それと話芸は似ていますね。
漫画家さんは、イメージと違っておしゃべり上手なタイプが多いですし、滑らない話をしても、鉄板ネタの10個や20個はある人が、普通ですし。
でもそれは考えてみたら当然で、話芸で他人を驚かせたり感心させたり泣かせることができない人間が、漫画や小説というワンクッションを置いた表現で、感動させられるはずもなく。
それこそ4コマ漫画から大長編まで、伸縮自在の話芸。
「笑福亭、長ぇ~よ」と言われることもなく。
もちろん、極度の人見知りや対人恐怖症、吃音症などで、喋りは苦手という漫画家さんはいますが。それとは別に、コミュニケーション能力は高いです。
そういう意味では、すべらない話は作話の勉強になります。
全体の構成を考えながら、しゃべるという意味でも、話芸は作話に似ています。
アドリブ能力は、また別の才能ですが。
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