質問箱044:漫画家デビューは若いほうが良い?
※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。
【質問】
【解答】
①27歳デビュー限界説
昔は、読者は若い人ほど多くなる傾向があったので、作家もその読者の年齢に近い方が良い、という考えがありました。
少女誌では、中学生や高校生でデビューする人も、珍しくなかったのですが……。
今も、若い人が有利という点は代わりはないですが、デビュー年齢は上がっていますね。
講師陣の一人が出版社勤務時代は、少女誌だと27歳ぐらいが限度と言われました。
大学を出て三年、これを過ぎるとその時代の流行とか話題に、自然に追いつくのが難しくなるから、と。
確かに、ファッションセンスとか、この年齢を境に、情報が疎くなる傾向が、アンケートでも顕著だったようです。
また、あまり年齢が言ってからのデビューでは、作家として挫折したときに、やり直しが効かないという面もあり、編集部も躊躇しますから。
②ネット時代は限界なし
ですが、今は30代のデビューも珍しくないです。
それこそ、雑誌デビューにこだわらなければ、SNSで作品を発表して40代でも50代でもデビュー自体はできますね。
プロとアマの差なんて、実は明確ではないですから。
サラリーマンをやりながら週刊連載をこなす人もいれば、アシスタントや講師の収入が多い人もいます。
原稿料だけで食える専業プロは、素晴らしいことですが、だからといって兼業がダメということはないです。
少なくとも、MANNZEMI講師陣はそう考えます。
なぜなら専業ゆえ、収入がなくなって筆を折ったプロはいくらでもいますし、兼業ゆえに長持ちしている方もいますから。
商業誌では『ナニワ金融道』の青木雄二先生は、20代で一度デビューし、その後は社会人経験を積み、自分の経営していた会社が倒産し、その経験を元に40代で再デビューしています。
③プロとアマの境界なし
MANZEMI的には、プロデビューが目的ではないので、作品を楽しく作れることが大事と考えます。
でも、40歳や50歳からの商業誌デビューに向けて、アドバイスすることもあります。
専業プロを目指すかどうかは、本人の状況と覚悟次第ですし。繰り返しますが、プロとアマの壁も、どんどん薄く低く、曖昧になっていますので。
ただし、甘い考えの人には、厳しい現実を伝えます。
引導を渡すこともあります。
それで恨まれることもありますが、決断するのは当人ですから、最終決定権はこちらにはありません。
『ぼっち・ざ・ろっく!』のPAさんの言葉ではないですが、プロになることが自己目的化しちゃうと、精神的にも辛くなりますしね。
30歳には30歳にしか描けない、40歳には40歳にしか描けないものがあるので、年齢で安易に区切らず、自分が何が描けるか、それに需要はあるのか、そこを考えるほうが建設的でしょうね。
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