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質問箱047:賞のレベルと自分の実力

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①推測は憶測で願望

出版社や編集部内部の考えや思惑は、作家が思っているものとは違うことが多いですから。
あまり、そういう事を考える必要は、ないと思います。
「編集部はこんな作品を求めているに違いない!」という投稿者の推測は、多くがズレていますし。
そもそも、個々人の編集者の考えや、作品の好みも違いますからね。

例えば、ジャンプ隆盛の基礎を作った西村繁男編集長の経験談。
当時の編集たちは勉強熱心で、自主的に勉強会を開くなど意欲的だったが、提出する企画がラブコメばかりで、どうやって却下するかの闘いだった……と、語っていますね。
編集者がやりたい作品と、編集長がほしい作品の、思惑もズレがちです。

②人は石垣人は城

西村編集長はそんな中、ギャグ漫画の『キン肉マン』を世に送り出し、ついに『北斗の拳』という大鉱脈を掘り当てるわけです。
これはなにも、ラブコメが良いとか悪いとか、そういう話ではなく。
ラブコメ全盛期だからこそ、ラブコメを載せたい編集長と、逆に違う傾向の作品を模索する編集長と、両方いるのです。

でも、外部からはそんな部分は見えません。
あなたの作品を評価する編集者がいて、でも編集長は評価しない。それではデビューは難しいでしょう。
でも、自分の作品を評価する編集者は、とてもとても貴重です。
大事なことなのでもう一回言います、自分を評価してくれる編集者は、とても貴重です。
その編集者との関係を構築し、編集長が異動したり、その編集者が別編集部に異動して、チャンスが回ってくることもあります。

③評価は多数決ではない

作品のレベル云々もそうで、完成度は高くても伸びしろが感じられない投稿者より、完成度は低くてもキラリと光るものがあって、伸びしろを感じる投稿者が、デビューしやすいです。
でもそれもまた、伸びしろを感じられる編集者と感じられない編集者がいて、多分に担当ガチャの部分があります。

はっきりしているのは、作品や才能は、多数決ではないです。
10人の編集者が否定しても、たった1人の目利きが正しいことなんて、日常茶飯事です。
逆に、編集部が一致して押した大賞の作家より、入選や佳作の作家がヒット作家になることなんて、よくあります。

あれこれ推し量りようがないことを考えるより、今自分ができることをやる。
今、自分が持つ課題に挑戦する。
そっちに集中したほうが、いいと思いますよ?


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