質問箱007:最初のページと締めのページ
※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。
【質問】
【解答】
作家にはスタート重視タイプと、フィニッシュ重視タイプの、大きく2種類に分かれます。原作者だと前者が小池一夫先生タイプ、後者が梶原一騎先生タイプでしょうか。これはキャラクター重視タイプと、構成重視タイプにも重なります。もちろん、両方の要素を持った上で、比率の問題ですが。
自分はフィニッシュ重視タイプなんですが、最初の1ページ目は、作品に注ぎ込む全エネルギーの、半分ぐらい費やして良いほど、大事な部分です。プロでも作品の冒頭は悩むので、有効な方法論はなかなかないのですが……。いくつかプロが使っている方法はあります。それを紹介しますね。
①クライマックスから作って、逆算する
最初に、出来の良いクライマックスのネタが思いついたら、それを元に全体を構築する方法です。自分が思いつくパートから先にどんど作って、ジグソーパズルのピースを埋めていく作業に近いイメージです。その場合、周囲が固まると、残された部分は「必然的にこうなるよね?」という方向性が見えやすいですね。フィニッシュ型にオススメです。
②仮オープニングを作る
上記①の手法が苦手な人は、とりあえず軽い気持ちで1ページ目を描いてしまい、そこから繋げて描いている内に筆が乗ってきたら、その仮オープニング部分をバッサリ切って捨ててしまい、盛り上がったところのちょっと前から作品を始めてしまう、という方法です。作品に必要ない部分も描くので、どうしても手間はかかりますが、ページの調整とかはけっこう楽です。
どうもゲームの悪影響か、作品の世界観とか設定を縷々説明しようとする人がいます。ですが、作品は読者の興味を引く事件(エピソード)から入った方が、説明を省けることが多いです。説明は後回しでいいので、まずは事件を起こしキャラクターで引っ張り、物語の世界に引き込むのが、キャラクター主義の方法論です。
③パターンをいくつか作る
煮詰まる人に多いのが、一種類の導入パターンにこだわって、他の選択肢を無意識に排除することがあります。
などを試してみても良いでしょう。自分がどこに引っかかって止まっているか、意外と自覚しづらいので。
④クライマックスを冒頭に置いてみる
これは、ページに余裕がある作品向きですが。クライマックスのちょっと手前部分や、見せ場のシーンをを冒頭に置くことで、①と②の合わせ技として、使えることがあります。投稿者だと実はよく使うのですが、失敗もしやすいです。構成力がないと、冗長になるので。でも、試してみてダメなら廃棄するぐらいのつもりで、試してみると良いでしょう。
〆、つまりクライマックスを含む作品のフィニッシュについては、作品のクライマックスと余韻の技術が必要ですが、長くなるのでまたの機会に。上記で紹介した手法は、クライマックスにも関わってくる部分ですので、参考になるでしょう。
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