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表現の自由と国際競争力の源流
X(旧Twitter)に、アニメの翻訳などを手掛ける兼光ダニエル真氏の連続ポストが流れてきました。非常に重要な指摘ですので、皆様にご紹介&備忘録も兼ねて転載し、保存しますね。
長年言いたかったことをようやく整理できた気がする:
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
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●表現の自由と国際競争力の源流
日本国内での表現の自由はかなり絶大ですが万能ではありません。なんでもできるわけではありませんし、一定の制約があります。それこそ特定の表現にめぐっては外国の方が自由度が高いことがあるくらいです。
長年言いたかったことをようやく整理できた気がする:
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●表現の自由と国際競争力の源流
日本国内での表現の自由はかなり絶大ですが万能ではありません。なんでもできるわけではありませんし、一定の制約があります。それこそ特定の表現にめぐっては外国の方が自由度が高いことがあるくらいです。
以下、連投をまとめて。
しかし創作行為全般で考えると国内外から日本のフィクションは世界で突出した表現の自由を誇っているとされています。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
しかし創作行為全般で考えると国内外から日本のフィクションは世界で突出した表現の自由を誇っているとされています。
表現の自由は当局による追及を抑制するほかにも様々な表現の幅を広げる効果があり、多種多様な作品や創作の礎です。これによって様々な試行錯誤が可能であり、個人が主体の同人誌などでは驚くほど実験的な作品が生まれています。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
表現の自由は当局による追及を抑制するほかにも様々な表現の幅を広げる効果があり、多種多様な作品や創作の礎です。これによって様々な試行錯誤が可能であり、個人が主体の同人誌などでは驚くほど実験的な作品が生まれています。
表現の自由が日本のアニメ・マンガ・ゲームの国際競争力を生むという考え方がありますが、この点についてより踏み込みたいと思います。経済学者の父の言葉ですが「特定産業の国際的競争力は国内競争の上に成り立っている」と説いていました。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
表現の自由が日本のアニメ・マンガ・ゲームの国際競争力を生むという考え方がありますが、この点についてより踏み込みたいと思います。経済学者の父の言葉ですが「特定産業の国際的競争力は国内競争の上に成り立っている」と説いていました。
つまり国内熾烈な競争があれば効率が向上し、高い付加価値を伴った商品・サービスを提供できるようになり、これが他国よりもその産業の比較優位へと繋がるというものです。日本のマンガ・アニメ産業は国内競争は激しく、作り手は絶えず切磋琢磨してます。しかも市場が巨大で複数あります。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
つまり国内熾烈な競争があれば効率が向上し、高い付加価値を伴った商品・サービスを提供できるようになり、これが他国よりもその産業の比較優位へと繋がるというものです。日本のマンガ・アニメ産業は国内競争は激しく、作り手は絶えず切磋琢磨してます。しかも市場が巨大で複数あります。
表現の自由はこの巨大な市場をより多様にすることに貢献し、競争を可能としているのだと考えています。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
また市場が大きいのはそれだけで大きな武器です。「規模の経済」という重要な概念が働きます。
表現の自由はこの巨大な市場をより多様にすることに貢献し、競争を可能としているのだと考えています。
また市場が大きいのはそれだけで大きな武器です。「規模の経済」という重要な概念が働きます。
製品やサービスを市場に提供するには一定の固定コストがかかります。どれだけ売り上げが大きくとも小さくともあまり変動しないコストです。供給が大きくなればなるほど変動コストは上がりますが、固定コストはあまり変わらないことがあります。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
製品やサービスを市場に提供するには一定の固定コストがかかります。どれだけ売り上げが大きくとも小さくともあまり変動しないコストです。供給が大きくなればなるほど変動コストは上がりますが、固定コストはあまり変わらないことがあります。
一つのマンガ作品を1人に売ろうとも1万人に売ろうともマンガを生むコストは同じです。やや乱暴な要約ですが、規模が大きい産業ほどコストを低く抑えることができ、有利な側面があります。一万人相手の産業と百万人相手の産業では後者の方が有利な点が多いです。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
一つのマンガ作品を1人に売ろうとも1万人に売ろうともマンガを生むコストは同じです。やや乱暴な要約ですが、規模が大きい産業ほどコストを低く抑えることができ、有利な側面があります。一万人相手の産業と百万人相手の産業では後者の方が有利な点が多いです。
しかし車や穀物とは違い、オタクコンテンツは同じ作品で多くの人を納得させることが難しいです。趣味は自らにとって特別なほど忠誠心が強まり、購買意欲が強まる傾向があります。そこで重要なのが表現の自由です。
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
しかし車や穀物とは違い、オタクコンテンツは同じ作品で多くの人を納得させることが難しいです。趣味は自らにとって特別なほど忠誠心が強まり、購買意欲が強まる傾向があります。そこで重要なのが表現の自由です。
国内市場での競争を練度を高まる他、様々な人々の心を捉えるような細分化と多様化に表現の自由はとても重要ではにでしょうか?
— 兼光ダニエル真 (@dankanemitsu) August 5, 2024
[この項目はひとまず終わり]
国内市場での競争を練度を高まる他、様々な人々の心を捉えるような細分化と多様化に表現の自由はとても重要ではにでしょうか?
[この項目はひとまず終わり]
国内の競争力が、世界的な競争力になる。これは動きませんね。
国内市場が小さいから世界市場へ、というのは理解出来ますが。まず、身の丈にあった国内市場での成功が絶対条件であり、もっと言えば国内市場を育てるのが大事なんですよね。
MANZEMI講座の活動に対して、どんなヒット作家が育ったんだと、揶揄してくる人が一定数います。残念ながら、ヒットは天の時・地の利・人の輪が上手く絡み合わないと、名作でも必ずしもヒットするわけではないです。なので、山の頂点を高めるのではなく、裾野を広げるのがMANZEMI講座と春由舎の役割と思っています。
幸い、全国に3000人から6000人ほどしかいない漫画家の、5-10%がトキワ荘プロジェクトやマンゼミ講座の関係者だったりします。受講生には、ゲイもレズもノンバイナリもいて、エロからBLやホラー、ミステリー、時代劇、4コマ漫画、いろんなジャンルに対応して、裾野を広げています。
その根幹には、表現の自由があり。やはりそれは創作者の譲れない一線として、大切にしていきたいものです。
以下は諸々、個人的なお知らせです。読み飛ばしていただいても構いません。
筆者の小説(電子書籍版)でございます。お買い上げいただければうれしゅうございます。
文章読本……っぽいものです。POD版もあります。
筆者がカバーデザイン(装幀)を担当した、叶精作先生の画集です。POD版もあります。
投げ銭も、お気に入りましたらどうぞ。
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